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これは凄い!ブルックナーに新しい交響曲が加わった指揮者としてのブルックナーの全交響曲はもとより、オルガニストとして全オルガン曲まで録音したゲルト・シャラー。まだまだ彼の探求は終りません。今回は何と弦楽五重奏曲をシャラー自身がフル・オーケストラ用に編曲、それをいつものフィルハーモニー・フェスティヴァではなく、プラハ放送交響楽団と録音しました。 弦楽五重奏曲は交響曲第5番や第6番と同時期の1878〜9年の作で、演奏時間40分を超える大作。交響曲作家ブルックナーとしては珍しい室内楽作品ながら、その交響的要素はかねてから指摘され、弦楽オーケストラによる演奏もありました。シャラーはそれを発展させ、ブルックナー12作目の交響曲に仕立てています。シャラー自身「ブルックナーの書いた最も美しい音楽のひとつ」と述べているアダージョは弦楽合奏のみ、その他も弦のパートは極力ブルックナーのオリジナルに従い、各2本の木管、4本のホルン、2本のトランペット、3本のトロンボーン、ティンパニのパートを付加し、内在する交響的音響を現実化しました。その結果、交響曲第6番を思わす雰囲気の新交響曲が登場しました。 弦楽五重奏曲は、初演したヘルメスベルガーがスケルツォ楽章を「演奏不能」としたことで代替えの『間奏曲』が生まれました。シャラーはこの間奏曲もオーケストレーションし、全5楽章としているのも嬉しい限り。さらに初期の『序曲ト短調』が入っているのも注目。すでにブルックナー節炸裂ですが、シャラーによる弦楽五重奏曲のフル・オーケストラ版と同じ楽器編成のため、いろいろ共通点が発見できるのも興味津々です。 ゲルト・シャラーは1965年バンベルク生まれ。1993年にハノーファー州立歌劇場で指揮者としてのキャリアをスタートさせ、1998年にブラウンシュヴァイク州立歌劇場、2003年から2006年までマグデブルク劇場の総音楽監督を務めました。ブルックナーのエキスパートで、ついにはオルガン独奏曲まで奏してしまうほどのこだわりを見せています。(輸入元情報)【収録情報】ブルックナー:● 弦楽五重奏曲ヘ長調(シャラー編によるフル・オーケストラ版)● 序曲ト短調(1863年版) プラハ放送交響楽団 ゲルト・シャラー(指揮) 録音時期:2018年5月 録音場所:プラハ放送ホール 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Disc11 : Bruckner: String Quintet, WAB 112 (Arr. for Large Orchestra): I. Gemasigt [12:14]2 : II. Scherzo. Schnell - Trio. Langsamer [7:53]3 : III. Adagio [12:44]4 : IV. Intermezzo, WAB 113 (Arr. for Large Orchestra) [3:36]5 : V. Finale. Lebhaft bewegt [9:22]6 : Overture in G Minor, WAB 98 [11:09]Powered by HMV
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