愛の苦しみを描いた入魂のカンタータ18世紀初頭のイタリアで栄えた室内カンタータは、レチタティーヴォとアリア数曲からなる比較的短い音楽です。声と通奏低音というシンプルな編成で書かれ、貴族のプライベートな場で演奏されました。 ヴェネツィアの作曲家ベネデット・マルチェッロはこのジャンルで最も多くの作品を残した作曲家の一人で、1710年から1720年にかけて約300曲のカンタータを作曲。そのうち20曲以上がバスのためのカンタータです。詩と音楽の完璧な調和が目指されたこれらの作品はロッシーニ、ビゼー、ヴェルディ、ショパンなどの後世の偉大な作曲家にも影響を与えたとされ、特にヴェルディはマルチェッロのレチタティーヴォを高く評価しました。素晴らしい声楽書法と色鮮やかな和声感に支えられて歌われる、拒絶、悲しみ、嫉妬、希望、嘆きといった複雑な感情。真に人間的なものを感じる1枚です。(輸入元情報)【収録情報】マルチェッロ:バスのためのカンタータ集● 『聞け、恋人よ(Udite, amanti)』 SF A356 レチタティーヴォ:Udite amanti アリア:Pena piu cruda e ria レチタティーヴォ:Credei che il mio sincero アリア:Si disciolga quell’empia catena● 『多くの悲しみの中で(Che io viva in tante pene)』 SF A55 レチタティーヴォ:Che io viva in tante pene アリア:Basta dir レチタティーヴォ:E ver che, accesa d’amoroso foco アリア:Se a far pago● 『どれほど私に同情を(Quanta pieta mi fate)』 SF A278 レチタティーヴォ:Quanta pieta mi fate アリア:Privo allor delle ruggiade レチタティーヴォ:Ma quanto, o dio! di voi アリア:Piangete al pianto mio● 『はるかな希望(Lungi, speranze)』 SF A182 レチタティーヴォ:Lungi, speranze アリア: Nel mio cor レチタティーヴォ:Giuro, giuro quell’empia アリア:Sento gia nel mezzo al mio core● 『人並外れた運命を(Poiche fato inumano)』 SF A252 レチタティーヴォ:Poiche fato inumano アリア:Luci belle レチタティーヴォ:Questa che mi divide アリア:Come scoglio che l’onda disprezza セルジオ・フォレスティ(バリトン) アンサンブル・ドゥエ・ヴェンティ 録音時期:2020年9月21日〜10月1日 録音場所:イタリア 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV