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デイヴィス&LSOによるベルリオーズ最新作リズムと色彩のカーニバル!『ベンヴェヌート・チェッリーニ』全曲巨匠デイヴィスがキャリアの総仕上げともいうべき段階に入り、手兵LSOを率いていままた手がけるベルリオーズ。シリーズ最新作の『ベンヴェヌート・チェッリーニ』は、前作『キリストの幼時』から半年後の2007年6月に演奏会形式で上演され、あらためて巨匠の傾ける情熱と驚くほど生き生きとした音楽づくりがガーディアン紙ほかでも大きく扱われて話題になりました。 ルネサンス時代に実在したフィレンツェの彫金師ベンヴェヌート・チェッリーニ(1500-1571)の自叙伝にもとづくこのオペラ。その波乱に富んだ生涯を綴った内容に劣らず、ローマ帰りのベルリオーズが徹底的に自らのやりたいことをやりつくした結果、初演からたった4回で公演が打ち切りとなり大失敗に終わっています。 ヴァイイーとバルビエの台本は、主人公チェッリーニとテレーザの恋愛模様を軸に、これに横恋慕するフィエラモスカらの陰謀、さらに教皇より制作を依頼された像の行く末も絡み、見た目にも絢爛たる謝肉祭の描写さらには流血シーンありと、すべてが大団円を迎えるラストまでドキドキハラハラのストーリー展開が用意されています。 誰もがみとめるベルリオーズの音楽の真髄、すなわち爆発的なエネルギーの原動力となる鮮明で大胆なリズムおよび、華麗な色彩効果と密接な対位法処理に象徴される、驚くべき独創性は、本作にしっかりと息づいています。にもかかわらず、初演の折に聴衆がそうしたのとまったく同じように、その演奏至難さゆえに演奏家からも長らく遠ざけられ、上演はおろか配役することさえもほとんど不可能とされたのです。そして、デイヴィスによる旧録音(BBC響・1972年)から30年以上の時を経た今でさえ録音もけっして多いとはいえず、ましてや実演でかかることは稀というのが現状の『ベンヴェヌート・チェッリーニ』。 ところで、無念のベルリオーズがオペラのエッセンスを掬い取り、あらたに生み出された序曲『ローマの謝肉祭』にはいくつかの重要な主題が登場します。これらチェッリーニとテレーザによる愛の二重唱、謝肉祭の場面におけるサルタレッロのリズムと旋律などはそれでもほんのごく一例にすぎません。こんなものではまだまだとても収まり切らないほどオペラ全体は聴きどころの宝庫。 そしていま、このオペラの異常なテンションとほんとうの魅力を伝えることが出来るのは、まさしく巨匠デイヴィスをおいてほかにいないでしょう。しかもなんともすばらしいタイミングで、いまのかれはそれが実現可能なLSOとロンドン交響合唱団という願ってもない武器を手中に収めているのですから。さらにソリストについても云うことなし。タイトル・ロールにはネルソン盤でも同役を務めたクンデに、ノリントン盤でのテレーザ役も高評価のクレイコムと経験ゆたかなふたりを筆頭に、よくぞここまで揃えたという強力な布陣です。 デイヴィス会心の作、LSOとのあらたなる『ベンヴェヌート・チェッリーニ』。これぞベルリオーズのスタンダードにふさわしい傑作であることを教えてくれるアルバムがついに誕生となります。・ベルリオーズ:歌劇『ベンヴェヌート・チェッリーニ』H.76a, Op.23 グレゴリー・クンデ(チェッリーニ) ローラ・クレイコム(テレーザ) ジョン・レリア(教皇クレメンス7世) アンドルー・ケネディ(フランチェスコ) イザベル・カルス(アスカーニオ) ジャック・インブライロ(ポンペーオ) ダーレン・ジェフリー(バルドゥッチ) ピーター・コールマン=ライト(フィエラモスカ) アンドルー・フォスター=ウィリアムズ(ベルナルディーノ) アラスデア・エリオット(カバラティア) ロンドン交響楽団&ロンドン交響合唱団 サー・コリン・デイヴィス(指) 録音時期:2007年6月26 & 29日(デジタル) 録音場所:ロンドン、バービカンホール(ライヴ) プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン エンジニア:ジョナサン・ストークス & ニール・ハッチンソン■ベンヴェヌート・チェッリーニのあらすじ【第1幕:懺悔の月曜日と、その翌日の懺悔の火曜日】(第1場)バルドゥッチの家16世紀のローマ。フィレンツェの彫金師チェッリーニは、ローマ教皇クレメンス7世より命じられていたペルDisc11 : レヒ゛ューに記載Disc21 : レヒ゛ューに記載Powered by HMV
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