マスネ:歌劇『マノン』全曲(3CD)パッパーノ&モネ王立歌劇場管ゲオルギュー、アラーニャ、ダムプッチーニによる『マノン・レスコー』の9年前に初演されたマスネの『マノン』は、同じ題材によるオペラですが、作曲家の個性の違いからずいぶん異なる作品に仕上がっています。 徹底した享楽志向で官能的、どこまでも自分の好きなように生き、そのためには多少の犠牲も厭わぬ思い切りの良いマノンは、やがて売春婦扱いされて死んでしまうという不幸な最後を迎えますが、マスネがマノン役に与えた音楽は実に魅力的です。 デ・グリューを翻弄し、揚句に捨ててしまい、しかしやがてかつての思いが再燃すると、神学校まで乗り込んで誘惑するという情熱には恐るべきものがあります。この神学校での誘惑シーンの素晴らしさはオペラ史に残るほどとものいわれる部分で、マノン役の歌手の力量が問われる部分としても知られています。 パッパーノ指揮ベルギー・モネ王立歌劇場の演奏では、マノン役にアンジェラ・ゲオルギューを起用し、この役本来の激しい情熱に突き動かされて行動する姿をリアルに表現、デ・グリュー役で当時ゲオルギューと結婚3年目だったロベルト・アラーニャとの息の合った歌唱を展開し、神学校での誘惑場面では感銘深い歌唱を聴かせます。 マノンというと、従来は抒情的な役作りが多かったのですが、ゲオルギューの歌唱は生身の魅惑的な女性の存在感をダイレクトに伝えるパワーを持ったものとなっており、作品解釈に一石を投じるという意味でも、非常に価値のある全曲録音になっていると思われます。 この『マノン』はオーケストレーションも凝っているので、パッパーノのようにオケを巧みに統率してドラマティックな起伏をつくりだす指揮者との相性もたいへん良好です。(HMV)【収録情報】● マスネ:歌劇『マノン』全曲 マノン:アンジェラ・ゲオルギュー 騎士デ・グリュー:ロベルト・アラーニャ レスコー:エアレ・パトリアルコ 伯爵デ・グリュー:ジョゼ・ヴァン・ダム ギヨー・ド・モルフォンテーヌ:ギレス・ラゴン デュ・プレティニー:ニコラ・リヴェンク、他 モネ王立歌劇場管弦楽団&合唱団 アントニオ・パッパーノ(指揮) 録音時期:1999年4月、5月 録音場所:ブリュッセル、シルク・ロワイアル 録音方式:デジタル(セッション)Disc11 : Manon2 : Manon3 : Manon4 : Manon5 : Manon6 : Manon7 : Manon8 : Manon9 : Manon10 : Manon11 : Manon12 : Manon13 : Manon14 : Manon15 : Manon16 : Manon17 : Manon18 : Manon19 : Manon20 : Manon21 : Manon22 : Manon23 : Manon24 : Manon25 : Manon26 : Manon27 : Manon28 : Manon29 : Manon30 : Manon31 : Manon32 : Manon33 : Manon34 : ManonDisc21 : Manon2 : Manon3 : Manon4 : Manon5 : Manon6 : Manon7 : Manon8 : Manon9 : Manon10 : Manon11 : Manon12 : Manon13 : Manon14 : Manon15 : Manon16 : Manon17 : Manon18 : Manon19 : Manon20 : Manon21 : Manon22 : Manon23 : Manon24 : Manon25 : Manon26 : Manon27 : Manon28 : Manon29 : ManonDisc31 : Manon2 : Manon3 : Manon4 : Manon5 : Manon6 : Manon7 : Manon8 : Manon9 : Manon10 : Manon11 : Manon12 : Manon13 : Manon14 : Manon15 : Manon16 : Manon17 : ManonPowered by HMV