47年の輝かしい活躍に幕を下ろす世界最高峰の四重奏団の偉業を称えるCD5枚組セット2023年、最後のシーズンを迎えたアメリカのエマーソン弦楽四重奏団。1976年の結成以来グラミー賞を何度も受賞したこのアンサンブルは最も精力的で洗練された室内アンサンブルの一つとしてクラシック音楽界に君臨しました。今シーズンが終わりに近づくと、最後まで室内音楽の殿堂で高い地位に居続けたこの四重奏団の50年近くに及ぶキャリアも幕を下ろすことになります。彼らの輝かしい偉業を称え、ドイツ・グラモフォンからショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全集が新たにCD5枚組ボックス・セットとして発売されます。限定盤。この最後のシーズンではロンドンのサウスバンク・センターでショスタコーヴィチ・チクルスが、そして最後の演奏となる2023年10月、ニューヨークのリンカーン・センターでの3回のコンサートでは、彼らの録音カタログから懐かしい曲が選ばれる予定です。そして10月22日にはリンカーン・センターのアリス・タリー・ホールで、デイヴィッド・フィンケルとのシューベルトの四重奏曲を含む最終コンサートが行われます。「これは、まさしく、21世紀のショスタコーヴィチ・チクルスだ」〜グラモフォン誌(輸入元情報)ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は、彼の本音が表現されたものといわれ、彼の人生の起伏や明暗、苦悩と闘争に過ぎた日々の内面をよく伝えるものとされてきました。実際、最初の作品である第1番が書かれたのも、ひと通りの挫折や苦悩を経験済みの32歳の年ですし、以後、亡くなる前の年まで、全部で15曲の作品が書き綴られることになります。 エマーソン弦楽四重奏団の演奏は、書き記された楽譜に誠実にアプローチしたものといえ、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲が孕むエネルギーが如実に感じられる力強さが印象的です。特にダイナミックな要素を多く含む中期の作品群ではこれ以上の演奏は考えられないほどの集中力が素晴らしいの一言。反面、晩年の作品では、惨めさや卑屈さ、暗さが足りないとか、強すぎる表現というような批判もありますが、鍛え抜かれた技術を持ったアンサンブルによるコンサートでの高揚感を、ライヴ・レコーディングで忠実に記録すればこうなってしまうのも致し方のないところではあります。ともかく、現代を代表する優れた弦楽四重奏曲全集であることは間違いのないところでしょう。(HMV)【収録情報】Disc1ショスタコーヴィチ: 1. 弦楽四重奏曲第1番ハ長調 Op.492. 弦楽四重奏曲第2番イ長調 Op.683. 弦楽四重奏曲第3番ヘ長調 Op.73 録音時期:1999年7月Disc21. 弦楽四重奏曲第4番ニ長調 Op.832. 弦楽四重奏曲第5番変ロ長調 Op.923. 弦楽四重奏曲第6番ト長調 Op.101 録音時期:1999年7月(1,2)、1998年7月(3)Disc31. 弦楽四重奏曲第7番嬰ヘ短調 Op.1082. 弦楽四重奏曲第8番ハ短調 Op.1103. 弦楽四重奏曲第9番変ホ長調 Op.1174. 弦楽四重奏曲第10番変イ長調 Op.118 録音時期:1998年7月Disc41. 弦楽四重奏のためのアダージョ(エレジー)2. 弦楽四重奏のためのアレグレット(ポルカ)3. 弦楽四重奏曲第11番ヘ短調 Op.1224. 弦楽四重奏曲第12番変ニ長調 Op.1335. 弦楽四重奏曲第13番変ロ短調 Op.138 録音時期:1998年7月(1,2)、1994年7月(3-5)Disc51. 弦楽四重奏曲第14番嬰ヘ長調 Op.1422. 弦楽四重奏曲第15番変ホ短調 Op.144 録音:1994年7月 エマーソン弦楽四重奏団 ユージン・ドラッカー、フィリップ・セッツァー(ヴァイオリン) ローレンス・ダットン(ヴィオラ)、デイヴィッド・フィンケル(チェロ) 録音場所:アメリカ、アスペン、ハリス・コンサート・ホール 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)Powered by HMV