シューリヒト&バイエルン放送響 ブルックナー:交響曲第9番 1963年3月8日、ヘルクレスザールでのライヴ録音。以前、海賊盤でリリースされて話題になった演奏の正規CD化で、モノラルですが音質は良好。 卓越したリハーサル術と指揮法によって、様々なオーケストラと素晴らしく息の合った演奏を聴かせたシューリヒトだけに、ここでの成果も見事なもので、1961年のEMI盤とはまた違った魅力を放っていて楽しめます。 ここでの演奏は、バイエルン・サウンドとでもいうべき、骨太な音響を駆使して、実演ならではの濃やかなアゴーギクと思い切った表情付けを施したもので、第2楽章での圧倒的な迫力や第3楽章での濃密な叙情美は、かのVPO盤をも上回るほど。 特に第3楽章第2主題部での深みのある美しさと立体的な音響は聴きもので、ブロック的に明確な性格分けが作品のユニークなフォルムを実感させてくれます。・ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 バイエルン放送交響楽団 カール・シューリヒト(指揮) 録音:1963年3月8日 ミュンヘン、ヘルクレスザールPowered by HMV