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マーラー:交響曲第4番ルイージ&MDR交響楽団ファビオ・ルイージ&MDR交響楽団(ライプツィヒ放送響)のマーラー第4弾。ベートーヴェンのハ長調ミサと同じく2005年9月にレコーディングされたこの第4番は、これまで以上に緩急の振幅が大きくなっており、ルイージ特有の豊かなふくらみを持ったフレージングが非常に美しい演奏に結実しています。特に18分16秒(実測値)もかけた第1楽章では、徹底的にカンティレーナの魅力が追及されており、呈示部第2主題部(1分15秒〜)、第2呈示部第2主題部(4分54秒〜)、終結部第2主題部(15分38秒〜)では陶然とするばかりの美しさで酔わせてくれます。もちろん動的な部分での切れ味、ダイナミズムも見事で、第1楽章第2主題へのブリッジや展開部、第2楽章では抜群のフットワークを見せてくれるのですが、ルイージのコンセプトの主眼がカンティレーナにあることは明らかです。 そうしたルイージのアプローチが極点に達するのが第3楽章。冒頭第1主題部、張り詰めた美しさの中でヴィブラートたっぷりに歌いぬかれるエモーショナルなチェロから実に魅力的。ヴァイオリンのハイ・トーン・パッセージも信じがたい美しさで、まるでオルガンのような響きが出てくるのには驚きです。マーラー自身、自作の中でも特に気に入っていたというこの楽章ですが、ルイージで聴くとこの部分はまさに絶品。ベートーヴェンの『フィデリオ』第1幕四重唱のパロディとも思われるこの第1主題部での天国的な静謐(もとネタは世俗丸出しですが)や、第2変奏での過ぎ去った人生への賛歌とでもいいたくなるそのノスタルジックな美しさと雰囲気には実に素晴らしいものがあります。 第4楽章のソリストはウィーン国立歌劇場で活躍する強い美声の持ち主サンドラ・トラットニック(トラットニッグ)。1976年、オーストリア、クラーゲンフェルト生まれの彼女の声はどこか中性的な魅力を持つ美声で、この作品にはぴったり。例の“Kein Musik ist ja nicht auf Erden”以降の透明な情感も胸に迫ります。 なお、当アルバムは、前作の大地の歌(1999)、第6番(1998)、第5番(1997)に較べて音質がだいぶ良くなっており、ようやくこのコンビの看板でもあるマーラー演奏で、音質面でもその真価を味わえるようになったという印象です。【収録情報】・マーラー:交響曲第4番ト長調 [60:06] 第1楽章 Bedachtig, nicht eilen [18:16] 第2楽章 In gemachlicher Bewegung, ohne Hast [10:17] 第3楽章 Ruhevoll [22:25] 第4楽章 Sehr behaglich [09:08] サンドラ・トラットニック(ソプラノ) MDR交響楽団(ライプツィヒ放送交響楽団) ファビオ・ルイージ(指揮) 録音時期:2005年9月17〜20日 録音場所:ライプツィヒ、ゲヴァントハウス プロデューサー:クラウス=ユルゲン・カンプラート エンジニア:クラウス・ミュッケ 編集:ゲルハルト・レブリングDisc11 : 第1楽章 Bedachtig, nicht eilen [18:16]2 : 第2楽章 In gemachlicher Bewegung, ohne Hast [10:17]3 : 第3楽章 Ruhevoll [22:25]4 : 第4楽章 Sehr behaglich [09:08]Powered by HMV
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