モディリアーニ四重奏団とザビーネ・マイヤーら世界の名手が魅せるシューベルトの八重奏曲2003年に結成されたモディリアーニ四重奏団。2016年、第一ヴァイオリンのベルナール・フィリップが肩および右上腕部の筋肉をいため、演奏家としてのキャリアをストップさせることを決断。フランス放送フィルハーモニー管弦楽団のコンサート・マスターを務めていた旧知の友人アムリ・コエイトーを新メンバーに迎えて更なる活躍をみせています。新メンバーによる第3弾は、シューベルトの八重奏曲です。 クラリネット、ホルン、バスーン、弦楽四重奏、そしてコントラバスという編成ですが、世界で活躍する名手たちが集っての演奏が実現しました。まずモディリアーニを中心とする弦楽器の気品あふれる音色にはっとさせられ、管楽のアンサンブルもノーブルそのもの。最上級の美しさを堪能することができます。 シューベルトの八重奏曲は、1824年3月に作曲された、シューベルトの室内楽でもっとも編成の大きな作品。クラリネットを愛したフェルディナント伯のリクエストで作曲されました。伯爵は当時弁護士の家で行われていた音楽の夕べでしばしば演奏し、そこにシューベルトも出入りしていました。伯爵は、モーツァルトやベートーヴェンの弦楽四重奏の優れた演奏者としても知られたヴァイオリン奏者シュパンツィヒとも共演していました。ベートーヴェンの七重奏曲が当時大評判となっていたので、それと同様の作品を、とシューベルトに依頼したといいます。シューベルトの死後20年以上経過した1853年に第4、5楽章を除いたかたちで一度出版され、1875年に全曲出版されました。弦楽四重奏『ロザムンデ』や『死と乙女』と同じ時期に作曲され、直後には『美しき水車小屋の娘』も完成するなど、非常に充実した時期の作品となっています。当時の交響曲や弦楽四重奏曲などのスタンダードであった4楽章構成でなく、ベートーヴェンの七重奏曲と同じ6楽章の構成をとっており、これはディヴェルティメント、つまりはどちらかというと楽しみのためという色合いが強いものとなっています。天上の美しさの旋律に満ちた作品です。【共演者について】ザビーネ・マイヤーはバイエルン放送響の首席クラリネットを務めたのちソロ活動に踏み切り、ザビーネ・マイヤー管楽アンサンブルを結成するなど精力的な活動を続けている世界トップ・クラスの奏者。ブルーノ・シュナイダーはスイス生まれで、1986年から93年までバイルン放響およびスイス・ロマンド管のソロ・ホルン奏者を務めました。ザビーネ・マイヤー管楽アンサンブルの設立メンバーでもあります。ダーク・イェンセンはノルウェー出身、1985年から88年までバンベルク響、1988年から97年までケルン放送交響楽団の首席奏者を務め、さらにサイトウ・キネンや水戸室内管、ルツェルン祝祭管でも活躍しています。1984年と90年の二回、難関ミュンヘン国際音楽コンクールで入賞しています。クヌート・エリック・サンドクイストは、ノルウェーを代表するコントラバス奏者で、ベルゲン・フィルのメンバーを長年務めたほか、ルツェルン祝祭管でも活躍した奏者です。(輸入元情報)【収録情報】● シューベルト:八重奏曲ヘ長調 D.803 モディリアーニ四重奏団 アムリ・コエイトー(ヴァイオリン/グァダニーニ 1773) ロイック・リョー(ヴァイオリン/グァダニーニ 1780) ローラン・マルフェング(ヴィオラ/マリアーニ 1660) フランソワ・キエフェル(チェロ/ゴフリラー「ex-Warburg」 1706) ザビーネ・マイヤー(クラリネット) ブルーノ・シュナイダー(ホルン) ダグ・イェンセン(ファゴット) クヌート・エリック・サンドクイスト(コントラバス) 録音時期:2018年9月 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV