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ハインツ・ホリガー生誕80年記念リリース。ホリガー&バーゼル室内管のシューベルト交響曲全集第2弾は、清新な第5番と豪胆な第1番世界的なオーボエ奏者であり、独自の語法を持つ作曲家であり、そして聞き古された作品から新たな美を見出すことができる卓越した指揮者・・・。ここ数年マルチ・ミュージシャンとしての多彩な活動がクローズアップされているハインツ・ホリガー。ホリガーの指揮といえば、これまでレコーディングされていたのはいわゆる「吹き振り」のほかは現代音楽が中心でしたが、ケルン放送響とのシューマンの交響曲・管弦楽・協奏曲全集(audite)やヴィンタートゥール・ムジーク・コレギウムとのメンデルスゾーンの交響曲第3番・第4番(MD+G)、あるいはシュトゥットガルト放送響とのケクランやドビュッシーのオーケストラ作品(SWR)など、ロマン派やスタンダード・レパートリーにおける指揮者としての凄さが刻印された録音が次々と発売されています。 当アルバムは、2019年5月の80歳の誕生日を前に、その音楽家としての存在感をますます増しているホリガーが、2018年の『グレート』から開始したバーゼル室内管弦楽団とのシューベルトの交響曲全集録音の第2弾。『魔弾の射手』序曲を思わせる弦楽パートのトレモロが印象に残る『フィエラブラス』序曲に始まり、清新で歌心に満ちた第5番、若き作曲者の自信が溢れ出るかのような豪胆な第1番という、見事なコントラストの付けられたカップリングになっています。 ホリガーはシューベルトの交響曲の特質について、「マーラーと同じで、可愛らしい響きや、ウィーンの酒場でワインを飲み明かすような世俗性が、一瞬にして恐ろしい死の淵をのぞかせる音楽。明るい色彩感は常に暗闇や深淵と隣り合っている」と指摘し、ピリオド楽器を使用することで「響きの透明感を実現できる。シューベルトでは一つのメロディが舞台上の登場人物のように、さまざまなグラデーションによるライトを当てられ、異なった陰影を纏う。まるで響きを細密に透過分析するかのようだ。あらゆる波長の音がクッキリと聞こえてくる。トゥッティのパッセージでもテクスチュアは決して分厚くならない。これは私が理想とする音楽作りでもある」と語っています。 アントニーニとのベートーヴェンやハイドンでその充実ぶりを存分に披露してきたスイスの名チェンバー・オーケストラ、バーゼル室内管弦楽団も、あらゆるパートに命がこもり、きびきびと躍動感あふれる演奏でホリガーの指揮に応えています。バロック音楽ではピリオド楽器との持ち替えもやってしまうほどあらゆる時代の演奏様式に通じているバーゼル室内管ならではで、弦楽パートはクラシカル・ボウとガット弦を使用し、ヴァイオリンを両翼に分ける対抗配置、ホルン、トランペット、ティンパニにはピリオド楽器を導入し、当時の管弦楽編成や演奏法を採り入れ、斬新な響きのバランスや和声の美しさを際出たせています。 録音セッションはベルン郊外の由緒あるホテル「ラントガストホフ・リーエン」内にあるホールで収録されており、明晰かつ木質の温かみのあるサウンドが、ホリガーとバーゼル室内管の名演を伝えてくれます。ヤーコブス&Bロック管、ガーディナー&オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク、ヘレヴェッヘ&アントワープ響、マナコルダ&カンマーアカデミー・ポツダムなど、ピリオド楽器もしくはHIPスタイルによる個性あふれるシューベルトの交響曲の名演が目白押しの昨今ですが、ホリガーとバーゼル室内管による当シリーズはその中でも一際大きな存在感を示しているといえるでしょう。 当シリーズは2020年秋まで全5枚が予定されており、完成された交響曲8曲のほか、序曲、舞曲、声楽作品の編曲なども含まれる予定で、2018/19年シーズンには第4番・第6番(2018年10月)、第2番・第3番(2019年5月)が演奏・録音されることになっています。 なおホリガーは2019年9月〜10月に来日し、大阪フィルで『未完成』を(9月27日、28日)、東京シティフィルで『グレート』を(10月11日、12日)指揮する予定になっています。(輸入元情報)【収録情報】シューベルト:● 歌劇『フィエラブラス』 D.796〜序曲● 交響曲第5番変ロ長調 D.485● 交響曲第1番ニ長調 D.82 バーゼル室内管弦楽団 ハインツ・ホリガー(指揮) 録音時期:2018年6月19-21日 録音場所:スイス、バーゼル、ラントガストホフ・リーエン 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV
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