ジャン・ロンドーが「沈黙への賛歌」と考える、演奏時間約108分の中で綴る『ゴルトベルク変奏曲』バロック音楽だけでなく、クラシック、ジャズへの情熱と好奇心にあふれたジャン・ロンドーは、哲学、心理学、教授法の要素を少しずつ織り交ぜ、多様な文化や芸術形態、専門分野の間にある音楽的な関係性を常に追求しています。ブランディーヌ・ヴェルレのもとで10年以上にわたってチェンバロを学び、その後、通奏低音、オルガン、ピアノ、ジャズと即興演奏、作曲、指揮の研鑽を積み、2012年、弱冠21歳という若さでブルージュ国際古楽コンクール・チェンバロ部門優勝。2015年にエラート・レーベルと専属契約を結び、これまで発売してきた6枚のアルバムをどれも世界的に高い評価を得ています。 2021年にリリースするのは満を持してリリースするのはバッハ『ゴルトベルク変奏曲』。主題のアリアと30の変奏、そして最後にまた最初のアリアが巡ってくるというバッハの最高傑作のひとつと称されるこの作品。数多くのアーティストたちがその演奏に臨み、数々の名演を生み出してきました。 ジャン・ロンドーは2017年に初来日時に素晴らしい演奏を披露。2018年にオランダ・バッハ協会の「YouTube」チャンネルでも、また違った表情で演奏してくれました。今回のエラートからの録音は、繰り返しを全て行っているとはいえ、演奏時間108分(CD2枚組)という、これまでの多くの録音の中でも最も長時間演奏となっています。 ロンドーが選んだ楽器は、2006年製のジャーマン・モデルによるもので、「この楽器には、繊細さと壊れやすさだけでなく、動物的なものも感じ、順応性があり、形を与えることができます」と語っています。今回使用された楽譜もこだわりをもって、1740年代に印刷されたもので、1974年に発見されパリ国会図書館に所蔵されているものです。バッハ自身が行ったマーキングや修正が含まれています。「すべてのバッハは、このゴルトベルク変奏曲にあります。すべての音楽はそこにあります。この貴重な音楽学の情報源を掘り下げることによって、私は自分が最も本物の選択であると感じたものを作ることができました」と。ロンドーは語っています。 その時その時で同じ演奏は行わない、ロンドーらしい計算された美しい装飾音が加えながら時が流れていく・・・その沈黙と流れによる、繰り返す波のような演奏が味わえます。 ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い輸入盤のみ、日本語解説・日本語帯付き。(輸入元情報)【収録情報】● J.Sバッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 ジャン・ロンドー(チェンバロ/2006年、Jonte Knif & Arno Pelto製作〜ジャーマン・モデルによる) 録音時期:2021年4月17-24日 録音場所:パリ、ノートルダム・ド・ボンスクール教会 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション) 日本語解説・日本語帯付き(ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い輸入盤のみ)Powered by HMV