なんという抒情と熱。リダウトが演奏する濃厚なエルガー『詩人の恋』ヴィオラ編曲版で、その溢れるロマンスを存分に発揮し一挙に注目を集めたイギリスの俊英ヴィオラ奏者、ティモシー・リダウト。待望の新譜はエルガーです。指揮者も英国出身のブラビンズ、オケもBBC響ということで英国勢による演奏が実現、エルガーの暗くしかし抒情に満ちた世界が濃厚な熱量で展開されています。 エルガーのヴィオラ協奏曲は、20世紀に活躍した英国のヴィオラ奏者ライオネル・ターティス[1876-1975]のたっての希望で実現した、チェロ協奏曲のヴィオラ編曲版です。この編曲は作曲者にも認められ、1930年にエルガーの指揮、ターティスのソロにより初演、チェロ協奏曲の初演よりも熱烈に迎え入れられたそうです。リダウトはターティスの編曲にさらに手を加え、完璧に作品を手中におさめています。カップリングのブロッホ[1880-1959]は、演奏機会が少ないものの、東洋趣味の作品で、こちらもリダウトの巧みな歌いまわしが炸裂しています。 ティモシー・リダウトは1995年生まれ、王立音楽院で学んだのち、2014年セシル・アロノヴィッツ国際コンクール優勝、2016年ライオネル・ターティス国際ヴィオラコンクール優勝。ヴィオラ界の若手の中では最注目の演奏者で、オーケストラとも共演多数、2021年6月には王子ホールでトランジット・シリーズに登場、絶賛されました。(輸入元情報)【収録情報】● エルガー:ヴィオラ協奏曲(原曲:チェロ協奏曲、ターティスによるヴィオラ編曲版に基づく)● ブロッホ:ヴィオラとオーケストラのための組曲 B.41(レント/アレグロ・イロニコ/レント/モルト・ヴィーヴォ) ティモシー・リダウト(ヴィオラ) BBC交響楽団 マーティン・ブラビンズ(指揮) 録音時期:2022年4月 録音場所:ロンドン 録音方式:ステレオ(デジタル)Powered by HMV