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ゲーベルがモーツァルトを巡る新たな視点を提示する「ニュー・モーツァルト」シリーズ始動。第1弾はヴァイオリン協奏曲第6番と『グラン・パルティータ』のオーケストラ用編曲版。知られざる作品を求め、それを音楽史のコンテクストの中で新しく提示する・・・「疲れ知らずの探求者」と称される指揮者ラインハルト・ゲーベルが、世界的に高い評価を得た「ベートーヴェンの世界」に続いて取り組む新プロジェクト「ニュー・モーツァルト」。ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団をパートナーに、モーツァルトの知られざる音楽を発掘し、その周辺の作品と合わせて世に問う刺激的なシリーズの幕開けです。 その第1弾が早くも登場です。バイエルンの作曲家であったフランツ・グライスナー[1761-1818]が、モーツァルトの管楽合奏によるセレナーデの名曲『グラン・パルティータ』を管弦楽に編曲し、1800年に『協奏交響曲 変ロ長調 作品91』として出版されました。グライスナーは石版画家でもあり、楽譜を印刷するためにリソグラフィーを使用し出版物にすることを実証しました。またモーツァルトのエキスパートで、1803年にコンスタンツェの邸宅でモーツァルトの写本のカタログを作成した人物です。 グライスナーによる『グラン・パルティータ』の編曲版は、バセットホルン2本とホルン4本のパートを弦とフルートに当てるというもので、家庭での演奏を意図して揃えるのが難しい楽器を入れ替えるだけでなく、モーツァルトの原曲を活かしながらも手を加え、弦楽器が入ることによってより多彩になった音色を駆使しています。この編曲版の録音にはコンソルティヌム・クラシクムによる「MD+G」盤がありますが、ゲーベル盤は弦楽パートの人数を増やした「オーケストラ版」としての世界初録音です。 もうひとつ注目すべきは、長らくモーツァルト作とされていたものの、めったに録音されない『ヴァイオリン協奏曲第6番』です。モーツァルト没後の1799年に出版され、ケッヘルによる作品目録では1776年作として「K.268」の番号が与えられていましたが、現在ではヨハン・フリードリヒ・エック[1767-1838]の作品とされ、新モーツァルト全集にも含まれていません。真の作者が誰であろうと、高度な演奏技巧が要求され、モーツァルトを彷彿とさせるような美しいカンタービレにあふれる18世紀後半のヴァイオリン協奏曲の傑作として、この作品の価値を新たに提示するべく、今回のプロジェクトに収録されています。ヴァイオリン独奏はミリヤム・コンツェンで、2011年にゲーベル指揮するバイエルン・カンマーフィルハーモニーとともに第7番を含むモーツァルトのヴァイオリン協奏曲全曲を録音して以来、ゲーベルの重要な音楽パートナーの1人で、「ベートーヴェンの世界」でもクレメントやフンメンのヴァイオリン協奏曲で参加しています。(輸入元情報)【収録情報】モーツァルト:1. ヴァイオリン協奏曲第6番変ホ長調 K.2682. 協奏交響曲変ロ長調 Op.91(グラン・パルティータ K.361に基づくグライスナー編曲版) ミリヤム・コンツェン(ヴァイオリン:1) ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団 ラインハルト・ゲーベル(指揮) 録音時期:2020年11月9-14日 録音場所:ザルツブルク、ドロテア・ポルシェ・ザール 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション) オーケストラ版による世界初録音(2)Powered by HMV
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