19世紀前半のアムステルダム音楽界の重要人物ヨハネス・ベルナルドウス・ファン・ブレーの知られざる弦楽四重奏曲19世紀前半のアムステルダム音楽界を語る上で重要な人物ヨハネス・ベルナルドウス・ファン・ブレー。1801年1月29日アムステルダム生まれ。父親は有名な音楽教師であり、幼い頃から父のレッスンを手伝い、自身はヴァイオリンの名手として、指揮者、作曲家としても活躍しました。1828年に合唱団を設立(アムステルダム・トーンクンスト合唱団の前身)、1830年からはフェリックス・メリティス管弦楽団(コンセルトヘボウ管の前身)の指揮者に就任し、ベルリオーズ『幻想交響曲』やワーグナーの『ファウスト序曲』をオランダ初演しました。また1841年以降はオランダの地方楽団セシリア管弦楽団の音楽監督として名声を博し、当時アムステルダムに根強かったフランス音楽偏重主義を打破しようと、ベートーヴェンとメンデルスソーンの交響曲や序曲でプログラムを組み演奏したといいます。1849年にはドイツ系のレパートリー、特にベートーヴェンとシュポアの作品を得意とするオランダで最初のプロの弦楽四重奏団を創設。そこで演奏されたオンスロウ、メンデルスゾーン、シュポアと言ったレパートリーは、ファン・ブレー自身の作品にも大きな影響を与えたに違いありません。 本盤に収録されているファン・ブレーの弦楽四重奏曲は、オランダ初期ロマン派の洗練された旋律と完結な対位法は簡素でありながらも魅力的な独創性を感じさせます。当時は評価の高かったファン・ブレーの作品も現代ではほとんど演奏されることはありませんし、彼が残した4つの弦楽四重奏曲のうち最後の1曲は未出版となっています。ユトレヒト弦楽四重奏団は知られざる作品を掘り起こす活動をしており、この録音は長く待ち望まれていたファン・ブレーの再発見への第一歩となるでしょう。(輸入元情報)【収録情報】ファン・ブレー:● 弦楽四重奏曲第2番イ短調(28:10)● 弦楽四重奏曲第1番変ホ長調(25:36) ユトレヒト弦楽四重奏団 録音方式:ステレオ(デジタル)Powered by HMV