パガニーニ流の室内楽は聴きどころ満載パガニーニ:ギター四重奏曲全集 Vol.1(3CD)第4・5・6・8・9・11・12・15番ダニエル・ローランド(ヴァイオリン)アルベルト・メジールカ(ギター)、他ギターが好きだったパガニーニは15曲のギター四重奏曲を作曲。内容はヴァイオリンの名技的な部分があったりオペラティックな部分があったりと多彩で、しかも全編が親しみやすいメロディーで彩られています。 この全集企画は、ギター奏者のアルベルト・メジールカが、ヴィオラ奏者のヴラディミール・メンデルスゾーンとの公演後の食事の際の会話の中から生まれたもので、メジールカ自身がライナーノートも執筆するなど力が入っています。メンデルスゾーンは残念ながら2021年8月に急死してしまいますが、初動時の尽力に感謝し、録音はメンデルスゾーンの思い出に捧げられています。 主役のヴァイオリンは、以前メジールカと心地良いデュオ・アルバムを制作していた元ブロドスキー四重奏団のダニエル・ローランド。▶ Brilliant Classics 検索 作品についてパガニーニは5歳からヴァイオリンを学び、すぐに驚異的な上達を示したと言われますが、実はその前に父からマンドリンを与えられており、そのこともあってか、パガニーニの撥弦楽器への愛情は生涯不変で、ギター奏者としても一流の腕前になったのは有名な話です。 また、1800年頃から1840年頃にかけて西ヨーロッパではギターが大流行し、アマチュアからプロまで多くのギター奏者が生まれ、パガニーニ以外にもシューベルトなどの作曲家がギターに魅せられていました。 自身が優れたギター奏者でもあったパガニーニは、当時のギターの旺盛な需要に応えるべく多くの作品を書いており、15曲のギター四重奏曲はそうした中でも本格的な内容を持つもので、特に第7番以降の作品は聴き応えがあります。ギター四重奏曲第4番ニ長調 M.S.311813/15年作曲。ギター四重奏曲 第15番イ長調 M.S.421820年作曲。ギター四重奏曲第9番ニ長調 M.S.361818年作曲。ギター四重奏曲第6番ニ短調 M.S.331813/15年作曲。ギター四重奏曲第8番イ長調 M.S.421817/18年作曲。ギター四重奏曲第12番イ短調 M.S.391819年作曲。ギター四重奏曲第5番ハ長調 M.S.321813/15年作曲。ギター四重奏曲第11番ロ長調 M.S.381819年作曲。 演奏者についてアルベルト・メジールカ(ギター/全曲)1984年、イタリアのガッリエーラ・ヴェーネタで誕生。カステルフランコ・ヴェーネト音楽院でジャンフランコ・ヴォルパートに師事して修士号を取得し、ドイツのカッセル音楽院でヴォルフガング・レンドルに師事。 ソロと室内楽の両方で活動し、これまでにイタリア、オランダ、オーストリア、フランス、ドイツ、スペイン、フィンランド、ノルウェー、アメリカなどで演奏。2009年からはカステルフランコ・ヴェーネト音楽院ギター科で教えてもいます。 また、ホプキンソン・スミスとフランコ・パヴァンの協力のもと、1565年のカステルフランコ・ヴェーネトのリュート手稿譜に掲載されたフランチェスコ・ダ・ミラノの未発表曲を出版しており、この再発見により、デュージャン・ボグダノヴィチが、メジールカのためにフランチェスコ・ダ・ミラノをテーマにした「Tre Ricercari sulla Compagna」を作曲してもいます。 CDは、Brilliant Classics、Paladino、Da Vinci Classics、Limen、Basta、Orlando、Kairosなどから発売。ダニエル・ローランド(ヴァイオリン/全曲)1972年7月31日、ロンドンで誕生しますが、生後間もなく両親がオランダ東部、ドイツとの国境に近いトゥウェンテに移住。幼少からヴァイオリンのレッスンを開始し、やがて、ヘルマン・クレバース、イーゴリ・オイストラフ、イヴリー・ギPowered by HMV