ガフィガンの真骨頂。こんなにリズミカルなプロコフィエフがあったとは!SACDハイブリッド盤。ルツェルン交響楽団の首席指揮者を務めるかたわら、世界中のオーケストラに客演して注目されるアメリカの若手ジェイムズ・ガフィガンが、プロコフィエフの交響曲に挑戦しました。 プロコフィエフの交響曲第3番は1928年の作で、歌劇『炎の天使』の素材が用いられています。プロコフィエフの魅力が最もあふれるアヴァンギャルド時代のもので、さながら今日のパンクロックのような過激さと生命力に満ちています。2年後の交響曲第4番は、ストラヴィンスキーの『詩篇交響曲』、ルーセルの交響曲第4番、ヒンデミットの『弦楽と金管のための協奏音楽』とともにボストン交響楽団50周年記念として委嘱された作品。バレエ音楽『放蕩息子』の素材が用いられ、交響曲第3番のような過激さが大分薄れてシンプルな印象を受けますが、当時「プロコフィエフ調」を期待していた聴衆をがっかりさせたといいます。そのためソ連帰国後の1947年に大改訂を施し、25分のものを40分の大作にして「Op.112」という番号を与えました。今日演奏されるのは改訂版が多いですが、オリジナル版はモーツァルトを思わせる煌めきと簡潔さで、はるかに新鮮と言えます。 ガフィガンの演奏でまず驚かされるのは、はつらつとしたリズム感。プロコフィエフの音楽に最も必要なもので、作品をより魅力的に見せてくれます。本物のプロコフィエフ指揮者の出現で、他の作品も非常に待ち遠しい限り。 ジェイムズ・ガフィガンは1979年生まれ。2004年のショルティ国際指揮コンクールで優勝したのを皮切りに世界の名だたるオーケストラと演奏。2011年には『ボエーム』でウィーン国立歌劇場デビュー、その後も『ドン・ジョヴァンニ』で再登場、さらにグラインドボーンでも指揮するなど、オペラでも世界にその名を着実に広めています。(キングインターナショナル)【収録情報】プロコフィエフ:● 交響曲第3番ハ短調 Op.44● 交響曲第4番ハ長調 Op.47(原典版) オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団 ジェイムズ・ガフィガン(指揮) 録音時期:2013年11月5-6日(第3番)、2014年5月6-8日(第4番) 録音場所:ヒルフェルスム、MCOスタジオ5 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション) SACD Hybrid CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUNDDisc11 : Symphony No. 3 Opus 44 in C Minor - I. Moderato2 : II. Andante3 : III. Allegro Agitato4 : IV. Andante Mosso5 : Symphony No. 4 Opus 47 in C Major (First Version) - I. Andante Assai - Allegro Eroico6 : II. Andante Tranquillo7 : III. Moderato, Quasi Allegretto8 : IV. Allegro Risoluto - Moderato - CodaPowered by HMV