ヌース四重奏団/ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集 第1集その不穏な中にユーモアを織り交ぜた作品で非難を浴びた交響曲第9番。同時期に作られた弦楽四重奏曲第3番は、自身のお気に入りの作品だったと言われています。2つのスケルツォと短いながらも強烈な緩徐楽章を含む5楽章形式。暗黒の世界へ深く潜り込みつつ、切れの際立つ展開は、終盤で不安の中に安堵の情景を見い出すショスタコーヴィチの特徴を最も感じる作品となっています。 また1953年のスターリンの死後、いわゆる「DSCH」を記譜するようになりますが、第5番はそれが登場する最初の作品。第7番では作曲者が再び道化役となり、第8番のリア王に対する愚者となり、「DSCH」が神化を遂げるという作品。第9番では再び5楽章の形式となりますが、それがショスタコーヴィチによく合っており、スロー・ミュージックのゆっくりとしたテンポでの厳粛な簡素さと、終盤の切れのある爽快さの中に、洗練された厳格な後期へのスタイルの兆候が現れ始めています。 イタリアを代表するヌース四重奏団による演奏。温かみのある音質と近代ヨーロッパのカルテット流派の鋭い音楽的直感を併せ持つ演奏で、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全集の第1弾として登場です。(輸入元情報)【収録情報】ショスタコーヴィチ:● 弦楽四重奏曲第3番へ長調 Op.73● 弦楽四重奏曲第5番変ロ長調 Op.92● 弦楽四重奏曲第7番嬰ヘ短調 Op.108● 弦楽四重奏曲第8番ハ短調 Op.110● 弦楽四重奏曲第9番変ホ長調 Op.117 ヌース四重奏団 録音時期:2021年4月 録音場所:イタリア、ベルナレッジョ 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV