フランスの鬼才ダヴィド・グリマル、3度目のバッハ1710年製ストラディヴァリウスと1740年製トゥルテの弓を用いての新境地フランスのヴァイオリン奏者、ダヴィド・グリマルによる3度目のバッハ無伴奏ソナタ&パルティータの全曲録音の登場。50歳を目前に控えた時期の録音です。 使用している1710年製のストラディヴァリウスにはバスバー(表板を補強するための楽器内部の部材)がバロック・ヴァリオインとは違うように取り付けられているため、当時のピッチでは演奏できず、A=440Hzでの演奏。バッハがこれらの作品を作曲したのと同じ時期に製作された弓を用い、独特なアーティキュレーション、重音奏法を引き出しています。当時と現代のまさに融合が図られた中での録音で、録音場所の音響の素晴らしさもあいまって、唯一無二のバッハの登場となりました。 録音場所のロワイヨーモン修道院は1228年に建設され、1927年に歴史的建造物に認定されました。パリを中心とするイル・ド・フランス地域圏で最大のシトー会修道院建造物です。壮麗な回廊(クロイスター)と、フランスでもっとも美しいゴシック様式の大食堂を擁します。 ダヴィド・グリマルは、30年にわたって世界各地の主要な舞台に立ち、ソリストとして数々のオーケストラと定期的に共演を重ねてきました。グリマルのために、多くの傑出した現代作曲家たちが新作を書き上げており、引く手あまたの室内楽奏者でもある彼は、屈指の国際音楽祭から招かれ演奏しています。ソリストとしての活動と並行して、約15年前に「レ・ディソナンス」を創設。以来グリマルは、芸術監督として同楽団を率いてきました。「レ・ ディソナンス」は、世界で唯一、指揮者なしで定期的に主要な交響作品を奏でているオーケストラであり、これまでヨーロッパ中の一流コンサート・ ホールで演奏を披露しています。また同団を範として、多数の由緒あるオーケストラがグリマルに共演を依頼しています。この「分かち合い」の精神の延長線上にある「ロートル・セゾン(L'Autre Saison)」は、グリマルがパリの野外生活者たちの支援を目的に立ち上げたコンサート・シーズンです。 グリマルは、2008年にフランス共和国文化通信省から芸術文化勲章「シュヴァリエ」を受勲。ザールブリュッケン音楽大学でヴァイオリン演奏を指導するかたわら、世界各地からたびたび招かれマスタークラスを開いています。(輸入元情報)【収録情報】J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ BWV.1001-1006 全曲Disc1● ソナタ第1番ト短調 BWV.1001● パルティータ第1番ロ短調 BWV.1002● ソナタ第2番イ短調 BWV.1003Disc2● パルティータ第2番ニ短調 BWV.1004● ソナタ第3番ハ長調 BWV.1005● パルティータ第3番ホ長調 BWV.1006 ダヴィド・グリマル(ヴァイオリン) 使用楽器:ストラディヴァリウス”ex-Roederer”(1710年製)、弓:トゥルテ(1740年) 録音時期:2021年2月10-18日 録音場所:ロワイヨーモン修道院内食堂 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション) 輸入盤・日本語帯・解説付きPowered by HMV