バッハ:ゴルトベルク変奏曲シュ・シャオメイ(ピアノ)ヨーロッパを拠点とする中国人ピアニスト、シュ・シャオメイ。文化大革命を乗り越え新たな道を切り開いてきた彼女。そのような半生からは想像もできない、心穏やかな音楽。彼女が得意とするバッハの演奏は、緻密な構成力と洗練された表現力から生み出され、ただ純粋に音楽が聴こえ聴く者の心に共鳴します。 今回、彼女の代名詞とも言える作品『ゴルトベルク変奏曲』を25年ぶりに再録音しました。2014年のライプツィヒ・バッハ音楽祭のライヴ映像が発売されていますが、シュ・シャオメイのゴルトベルク変奏曲といえば、1990年に録音され、仏ディアパゾン誌で5つ星を獲得した名盤が思い出されます。それから25年後に録音された当CDでもバッハの音楽に対する深い理解と、驚くべき透明感で演奏されるピアノの音、あまたあるゴルトベルク変奏曲の演奏の中でも一際大きな魅力を備えた演奏です。 シュ・シャオメイはこの録音に際し、老子の言葉「反は道の動なり(The Return is the Movement of Tao)」を例に挙げ、アリアに始まりアリアに終わるゴルトベルク変奏曲を生と死の循環と捉え、曲を聴き終えたあとに、「生」への希望を感じ取ることができるような演奏をしたいと語っています。(輸入元情報)【プロフィール】シュ・シャオメイ(朱曉玫、シャオ・メイ・シュとも)は、上海の芸術家の家庭に生まれた中国のピアニスト。彼女は、8歳のときに北京のテレビ放送でリサイタルをおこない、10歳で音楽学校に入学を許可されるなど、幼い頃からピアノの才能を発揮し、将来を嘱望されていました。しかし、17歳のとき、1966年に文化大革命が起きると、上流に属していた彼女の家族は弾圧の対象として離散させられ、彼女自身はその反抗的な態度により、モンゴルの労働キャンプに送られてしまいます。この地で彼女は5年間洗脳プログラムに耐え、さらに隠れてピアノの練習をおこなうという強運にも恵まれ、やがて文化大革命が終結すると中国に戻ってピアノの練習に励むことになります。 転機が訪れたのは1979年のことでした。中国政府から招かれて同国を訪れていたアイザック・スターンの目にとまった彼女は、渡米を決意し、ロサンジェルスの音楽学校の後援を受けて祖国を後にします。 アメリカでその技量が高く評価された彼女でしたが、1985年にはパリに移り住み、同地を拠点に世界各地でコンサートをおこなうようになり、現在に至ります。 彼女のレコーディングはそれほど多くありませんが、海外では高い評価を受けているものが多いようで、中でもフランスのMANDALAレーベルに1990年に録音したゴルトベルク変奏曲は、ディアパゾン誌で5つ星を獲得するという栄誉に浴した名盤として知られていました。(HMV)【収録情報】● J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 シュ・シャオメイ(ピアノ) 録音時期:2016年 録音方式:ステレオ(デジタル)Disc11 : Aria2 : Variation 13 : Variation 24 : Variation 3: Canone All'unisono5 : Variation 46 : Variation 57 : Variation 6: Canone Alla Seconda8 : Variation 79 : Variation 810 : Variation 9: Canone Alla Terza11 : Variation 10: Fughetta12 : Variation 1113 : Variation 12: Canone Alla Quarta14 : Variation 1315 : Variation 1416 : Variation 15: Canone Alla Quinta17 : Variation 16: Ouverture18 : Variation 1719 : Variation 18: Canone Alla Sexta20 : Variation 1921 : Variation 2022 : Variation 21: Canone Alla Settima23 : Variation 2224 : Variation 2325 : Variation 24: Canone All'ottava26 : Variation 2527 : Variation 2628 : Variation 27: Canone Alla Nona29 : Variation 2830 : Variation 2931 : Variation 30: Quodlibet32 : Aria Da CapoPowered by HMV