最強の剣士は 我慢させないためにいる。主が報復を望むのなら 叶えるだけのこと。ドゥーウェとトオン、ハピネと祭我、ステンドと右京。アルカナ王国では三組合同の華々しい結婚式が行われようとしていた。異世界転移者たちのおかげで大国へと急成長するアルカナに、周辺諸国は複雑な思いを抱く。畏怖、憧憬、反感、焦燥……その眩いばかりの繁栄に嫉妬の影も色濃くなり、ついには近隣国の王子からトオンへの差別的な発言が飛び出す。そんな侮蔑、絶対に許さない。即座に動いたのは、ソペードの若き当主だったーー。野卑と思われようと、下劣と思われようと、この状況をお上品にまとめようとする男になる気はない。