本書は、現代文のカリスマ出口汪先生の高校1年生、2年生用の講義を忠実に再現したものです。◆本書はしがきより高1、2年生はもとより、受験生であっても、現代文が苦手な諸君は本書から始めてほしい。講義で使用した問題はすべて大学入試問題であるが、どれも基本的で読みやすいものを厳選した。たいした抵抗もなく読破できるはずである。しかも、誰もがわかるように、まさにゼロから説明している。だが、問題が簡単だからといって、本書が低レベルかというと、決してそうではない。誰もがあたり前と思って考えもしなかった根本的なことから、順次積み上げるように説明してある。本書は、基礎ではなく本質を解説したものであり、あくまで将来、東大・京大でもなんなく突破できるための第一歩として活用してほしい。諸君は、本書によって現代文の考え方、解き方の本質を理解するはずだ。現代文は、あらゆる教科の土台である。だからこそ、少なくとも現代文だけは、ごまかしたりいいかげんなテクニックで処理してはいけないのだ。諸君は本書を読破することで、論理的な思考能力が身につくだけでなく、将来本格的な学問をするための何かが芽生えてくることに気づくだろう。そしてそれはあらゆる教科の土台作りにおおいに役立つに違いない。【本書の利用の仕方】(1)まず、別冊の問題を自分で解くこと。その際、答えよりもプロセスを重視する。(2)次に、本書の解説を熟読する。自分の解き方と著者の解き方と、どこが違うのか。毎回、毎講義、新しい解き方で次の問題を解いていく。本書を一通り読破したら、諸君の中に一貫した解き方ができ上がっているはずである。(3)最後に、別冊の問題を取り出し、自分の頭の中で解説をこころみる。うまく説明できないところが、実はわかっているつもりでわかっていないところである。そのところだけ、もう一度解説を熟読する。本書は、あくまで『出口汪現代文講義の実況中継(1)〜(3)』に先立つものであるから、本書を一通りマスターしたらすみやかに次に進んでほしい。