自衛隊音楽隊でトランペット奏者や、隊長(指揮者)としてさまざまな経験をしてきた著者が、2023年春の退官後に、音楽隊の真の姿をエッセイにまとめた1冊。防衛省の守秘義務に抵触しない範囲で、隊員でなければ知りえない数々のエピソードを紹介する。例えば音楽隊員といえども、ほふく前進の訓練をする著者の経験談などは興味深いものがある。もちろん生々しい話は極力避け、自衛隊の広報活動も担う音楽隊の魅力や、隊員たちの日常の仕事ぶりを淡々とした文章で綴っている。はじめに ベールに包まれた音楽隊第1章 自衛隊音楽隊の素顔 ・産声をあげた音楽隊 ・音楽隊員への道 ・三つの顔(服)をもつ音楽隊員 ・隊員の階級と、幹部になる覚悟 ・音楽隊はプロのバンド!?・気力・体力・機動力を活かして・“八面六臂”のバンド活動・音楽隊は家族なり ・楽器と音楽隊 ・匠の技を持つ隊員たち・コンサート・チケット入手の今昔第2章 音楽隊員たちの日常 ・音楽隊員になるまでの三つの試練 ・音楽隊員のデスクワーク・駐屯地で暮らす隊員の生活 ・想いをこめて「敬礼っ!!」・音楽隊員の若さの秘訣!? ・教習車はトラック!?-自衛隊自動車教習所 ・未来の音楽隊員に向けてのリクルート・音楽隊のある一日・日進月歩ーースキルアップのために・号令調整と、ほふく前進・多くの作曲家とのかかわり第3章 国家的なセレモニーやイベントで ・FIFAワールドカップ、1分間の攻防・国民祭典と即位のパレード・「大喪の礼」の奏楽曲ーー哀(かなしみ)の極(きわみ)・各国元首のお出迎え・音楽が式典に華を添える・迎賓館における特別儀仗・中央音楽隊、初の海外演奏へーー韓国サムゲタン・エレジー・世界で受けた声援を活動の糧に ・誕生! パプアニューギニア軍 軍楽隊第4章 一般の方々とのふれあい ・「日本ダービー」のファンファーレーー競馬場での演奏・お相撲さんと音楽隊・富士総合火力演習で響く大序曲《1812》 ・さまざまな施設への慰問演奏・慰霊の演奏ーー記憶を風化させないために・自衛隊流・コンサートをつくる「思考過程」・コンサートで起こった珍騒動・観閲式における陸・海・空合同音楽隊 第5章 隊長のよもやま話 ・国内バンドの“夜明け”に想いをはせて・幹部候補生学校・音楽隊の演奏を聴く自衛官たち・華やかな衣装の舞台裏・ええっ!! まさかのハプニング・在日アメリカ軍 軍楽隊との交流・初めての転勤の地・沖縄への想い・嗚呼、トランペット・GENERATIONSギャップ・外国語は難しい?--音楽隊員の語学力 ・コバケンと、ウルトラセブンに見送られおわりに