両親を亡くした小萩は、幽霊が見えるせいで養父母から虐げられてきた。しまいには呪われていると噂の南条家に嫁げと命じられる。 明らかに「何か」の気配がする屋敷で、不安な日々を過ごす小萩。しかし、夫・司朗の不器用な優しさに触れ、孤独な心が満たされていく。互いが望んだ婚姻ではないが、少しずつ歩み寄りたい。そう思っていたある日、司朗が倒れてしまう。動転する小萩の前に、三人の幽霊が現れた。「司朗を死なせたくないなら協力しろ」と彼らに迫られて、小萩は司朗のために「呪い」を解くことを決意しーー。==人物紹介==小萩 (こはぎ)純真でがんばり屋。幽霊を見ることができる。司朗 (しろう)南条本家の生き残り。植物学者で、研究第一。美音子 (みねこ)南条家に住み着く幽霊。華族令嬢として育った少女。陸 (ろく)南条家に住み着く幽霊。母を亡くした幼い少年。新之輔 (しんのすけ)南条家に住み着く幽霊。女性の扱いに慣れた軍人。目次序章第一章 嫁入り第二章 育むもの第三章 奔走する新妻第四章 南条の呪い第五章 若夫婦の共闘終章あとがき