2015年最大級の創造性溢れる作品!ダニーロ・ペレス、ジョン・パティトゥッチ、ブライアン・ブレイド・・この3人は言わずもがな、現代に生きるジャズ界の巨人ウェイン・ショーター・バンドのスリークォーター!!ウェイン・ショーターはこのメンバーとのカルテットを結成して既に10年以上。来日公演でも、驚くべき集中力をもって全てのインスピレーションを結集した宇宙的な音楽で、オーディエンスの心を奪いましたが、本作ではそのショーターと共に心身一体になったメンバーによる究極の演奏が炸裂しました。実際、この作品は、“Doctorと”呼ぶウェイン・ショーターへ捧げた作品。「3人の気持ちとすべてのレッスンへの感謝をこめた贈り物」とショーターに伝えてレコーディングを渡したとのことですが、その思いは、ダニーロ・ペレスの興味深い言葉にもあります。「トリオとして、自分たちは(今までとは) 違った方法で音楽を構築する方法(オーケストレイトする方法)を見出した。私たちは、そこに(自分たち3人とは) 別の楽器がいるかのように感じさせる確かな方法で音楽を創り上げることができようになった。そのうちの一つには、こんなことがある。ウェインがいなくても、そのスピリットはそこにあって、自分たち自身でどのようにサウンドを機能させられるかなんだけど、グループとして、私たちは演奏する言語を得たし、たとえウェインがそこで演奏してなくても、その音を感じとって演奏しているんだ。だから、この録音は長い付き合いになった3人にとっての、単なるレコーディングでなくて、ショーター・スクールへのコミットメントでもあるんだ」。この言葉だけで、ダニーロを始め、3人が如何にショーターから強い影響を受けているかということを感じられてやみませんが、そんな言葉に裏打ちされた音楽は、正にショーターとの歴史を証明する演奏の数々といえます。ペレス曰く「壮大なアイディアもなければ気負いもない」とのことながら、自然発生的に触発しあい、理知的でありながら怖ろしいまでの集中力で、熱を帯びてゆく音楽は、ショーター・カルテットがなすように、一つの宇宙さえ感じさせるもの。メンバーのオリジナル10 曲と、ショーターのクラシックとも言うべき「Dolores」をフィーチャーした全11曲。その演奏は“一瞬たりとも聴き逃せない”というものですが、タイトル曲となったオープニングには、眩いばかりの光線のようなものがあり、しなやかな力がみなぎります。伝統的なフォーマットに基づくものではないのはもとより、真っ白なパレットに自由な物語を発展させていくような演奏の世界は正に無限大。そして、ショーターの名曲を半ばフリーに還元しながら、煌めくようなハーモニーで新たに描いていくM7もやはり秀逸。そして、また耳を引きつけるのが、ブライアン・ブレイドのキラーチューンM5。刺激的な演奏が続くなかに織り込まれたこのノスタルジー溢れる温かみと美しさに、現代屈指の音楽家のロマンを感じないファンは皆無でしょう。タイトルも、ショーターの「Children of the Night」から得たもの。ウェイン・ショーターへの尽きせぬ愛情と感謝の気持ちが溢れる作品。しかし、決して呪縛ではなく、魂の自由なる交感が結晶された作品。もしかして、マイルスも天国で微笑んでいるかも・・・Danilo Perez (p)John Patitucci (b)Brian Blade (ds)Disc11 : Children of the Light (6:54)2 : Sunburn and Mosquito (dedicated to Carolina) (4:35)3 : Moonlight on Congo Square (5:00)4 : Lumen (4:24)5 : Within Everything (3:22)6 : Milky Way (3:40)7 : Light Echo/Dolores (9:49)8 : Ballad for a Noble Man (in memory of Doug Sommer) (4:32)9 : Looking for Light (5:31)10 : Luz del Alma (2:38)11 : African Wave (5:25)Powered by HMV