ドイツが誇る屈指の若手チェリスト、ラドゥティウの最新盤は世界初録音を含むジョルジュ・エネスコのチェロ作品全集ドイツの俊英チェリスト、ファレンティン・ラドゥティウの新譜はヴァイオリニスト、ジョルジュ・エネスコ(ジョルジェ・エネスク)が作曲したチェロとピアノのための作品全集です。エネスコはルーマニアを代表する世界的ヴァイオリニストでしたが、その名を知られるようになったのは作曲家エネスコとしてで、交響曲から室内楽作品、歌劇、歌曲など印象的な作品を残しました。ルーマニア音楽の発展に尽力を注ぎ、また、ジョルジュ・エネスコ交響楽協会を創設したという功績は非常に大きいものがあります。 ここに収録されたチェロ・ソナタ第1番、世界初録音となる単一楽章のソナタ、そして夜想曲とサルタレロは、エネスコが16〜17歳の時の作品ですが、早熟の天才であったことを伺わせる密度の濃い内容で、チェロの美しいメロディとそれに寄り添うようなピアノ・パートが印象的な作品です。 一方、チェロ・ソナタ第2番はエネスコ54歳の時の作品で、この時には既にエネスコの世界が確立されており、エキゾチックで独特な世界が広がります。微分音もあらわれ、エネスコの作品の特徴と言えましょう。この度ラドゥティウの素晴らしい演奏でエネスコのチェロ作品がまとめて録音されたのは嬉しい限りです。 ファレンティン・ラドゥティウは1986年ミュンヘン生まれの若手チェリスト。6歳よりチェロを始め、これまでにC.ハーゲン、H.シフ、D.ゲリンガスら名手に師事。2008年にはカール・ダヴィドフ国際コンクールで第1位と特別賞を同時受賞したほか、国内外問わず数々のコンクールで輝かしい受賞歴を誇り、名実ともにドイツ屈指の若手実力派として注目を集めています。一方、ピアニストのペル・ルンドベルクとはデビュー時より共演。室内楽演奏のパートナーとして演奏活動を共にし、ラドゥティウと息の合ったアンサンブルを生み出しています。ヘンスラー・レーベルより発売した前作、19世紀フランスのチェロ・ソナタ集(98654)も好評価を得ています。(キングインターナショナル)【収録情報】エネスコ:チェロ作品全集Disc1・アレグロ ヘ長調(ソナタ 単一楽章) (1897) 世界初録音・チェロ・ソナタ第1番 Op.26-1 (1898)Disc2・チェロ・ソナタ第2番 Op.26-2 (1935)・夜想曲とサルタレロ (1897) ファレンティン・ラドゥティウ(チェロ) ペル・ルンドベルク(ピアノ) 録音時期:2013年4月15-17日 録音場所:ドイツ、レバークーゼン 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV