ケラスの驚異的超絶技巧×ミナーシ率いるアンサンブル・レゾナンツの痛快な管弦楽による最強至高の化学反応世界最高峰のチェロ奏者、ジャン=ギアン・ケラス。冴え渡った切れ味の技巧と知的頭脳的ひらめき、そしてそこに近年さらなる深みをました音楽性が加わり、とどまるところを知らない活動を見せています。このたびのケラスの新譜は、18世紀半ば、そして19世紀の幕開けに誕生したチェロ協奏曲2篇。どちらも超絶技巧が求められ、しかし軽やかに弾かねばならぬ難曲ですが、ケラスはらくらくと自由に歌いあそぶ余裕も見せながらの演奏を展開しています。管弦楽はアンサンブル・レゾナンツ。こちらも過去の偉大な作品から現代音楽まで切れのある解釈で聴き手を魅了するアンサンブルで、まさにケラスと絶好の相性の良さ。2017年にはC.P.E.バッハのチェロ協奏曲(イ短調) のディスクを録音しております。指揮のミナーシは2018年からアンサンブル・レゾナンツのアーティスト・イン・レジデンスを務め、現在までその関係は延長されています。ミナーシにとって特にC.P.E.バッハはこれまでにも頻繁にとりあげている作曲家。徹底した資料研究と明確な音楽ヴィジョンで、当時の熱気や喧騒までをも彷彿とさせるような「生きた」演奏を展開しています。 アントニン・クラフトはボヘミアの小さな町で生まれ、プラハ大学で学び、チェロの教本でも知られるウェルナーのレッスを受けます。ウィーンに移り、チェロの妙技で人々を魅了。ニコラウスI世ヨーゼフ・エステルハージのオーケストラの首席チェロ奏者を務め、J.ハイドンの指揮のもと様々な作品を演奏する傍ら作曲も師事しました。ハイドンのチェロ協奏曲ニ長調や、ベートーヴェンの三重協奏曲のチェロ・パートはクラフトのために書かれたと言われており、彼がいかに優れた奏者だったかということが窺われます。そしてクラフトのチェロ協奏曲は音域の広さと超絶技巧に驚かされますが、ケラスはそんなことを感じさせない軽やかな技巧で演奏、さらに2楽章ではお遊びも交えるほどの余裕ぶりです。 C.P.E.バッハ[1714-1788]のチェロ協奏曲は、彼がもっとも充実していたベルリン時代に書かれたもの。とある当時の大名手を念頭に書かれたと考えられ、エレガントな雄弁さで貫かれており、わかりやすいコントラストなどは控えられています。喜びに満ちた終楽章まで、C.P.E.バッハの旋律の美しさをたのしめる作品です。(輸入元情報)【収録情報】● クラフト:チェロ協奏曲ハ長調 Op.4 (1804)● C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲変ロ長調 H436, Wq171 (1751) ジャン=ギアン・ケラス(チェロ/Gioffredo Cappa, 1696) アンサンブル・レゾナンツ リッカルド・ミナーシ(指揮) 録音時期:2023年9月 録音場所:ハンブルク、フリードリヒ=エーベルト=ハレ 録音方式:ステレオ(デジタル)Powered by HMV