チェイコフスキーに強いこだわりを持つふたりの大物演奏家の貴重盤復活1998年に「Koch Schwann」レーベルからリリースされ話題となったボックスがリマスタリングを施されヘンスラーから再登場。チャイコフスキーに執念を燃やすホテーエフとフェドセーエフがタッグを組んだ企画で、ピアノとオーケストラのための作品を完全に収めています。 有名なピアノ協奏曲第1番は第1、第2楽章こそ現行版ですが、第3楽章はカットされた箇所を自筆譜に基づき復元。通常より2分ほど長くなっています。同様にピアノ協奏曲第2番と協奏幻想曲もたいていカットされる個所をきちんと演奏しているのが貴重。 ピアノ協奏曲第3番はチャイコフスキー自身が第1楽章のみ完成させていますが、のこされたアンダンテとフィナーレを、草稿から愛弟子タネーエフがピアノと管弦楽のための作品に仕上げたものを付けて全3楽章46分の大作で再現。またチャイコフスキー学生時代に課題で書かされた『ピアノと弦楽のためのアレグロ』と、最晩年の不思議な『ハンガリーのジプシーの歌』も貴重。『ハンガリーのジプシーの歌』はリストが弟子のピアニスト、ゾフィー・メンターのために作曲しながらオーケストレーションする力が残っておらず、「チャイコフスキー氏に頼みなさい」と遺言したと伝えられています。ただ、リスト嫌いを公言していたチャイコフスキーなので、断られることを恐れたメンターは自分の曲と偽り頼んだとされますが、まだリストの真作とは確定されていません。 ボーナス・トラックとして有名なチャイコフスキーの肉声が収められています。ちょうど同盤収録曲を作曲中の1890年の録音なので、雰囲気を感じられるでしょう。 アンドレイ・ホテーエフは1946年生まれ。モスクワ音楽院でナウモフに師事しますが、リヒテルに認められて強い影響を受けました。フェドセーエフのチャイコフスキー愛ともに旧ソ連派の底力を見せつけてくれます。(輸入元情報)【収録情報】チャイコフスキー:ピアノと管弦楽のための作品全集Disc11. ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23(第3楽章ノーカット版)2. 協奏幻想曲 Op.56Disc23. ピアノ協奏曲第2番ト長調 Op.44(ノーカット版)4. アレグロ ハ短調 (1864)Disc35. ピアノ協奏曲第3番変ホ長調(タネーエフ補筆完成3楽章版)6. メンター(リスト?):ハンガリーのジプシーの歌(チャイコフスキーによるオーケストレーション)7. ボーナス:チャイコフスキーの肉声(1890年、エジソン式蝋管にて収録) アンドレイ・ホテーエフ(ピアノ) チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ(モスクワ放送交響楽団) ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮) 録音時期:1998年2月(1)、1996年9月(2)、1996年11月(3)、1997年8月(4)、1998年2月(5,6) 録音場所:モスクワ 録音方式:ステレオ(セッション) 旧品番:364902(Koch Schwann) リマスタリングPowered by HMV