政府による「AI戦略2019」では,文理を問わず,すべての大学・高専生(約50万人卒/年)が正規課程でリテラシーレベルの数理・データサイエンス・AIを修得することを目標としました。そして各大学・高専で参照可能な「数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラム」が策定されました(2020年4月版)。このモデルカリキュラムが2024年2月に改訂されました。 本書は「数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)」通称MDASHに準拠した教科書です。2024年2月改訂のMDASHに対応しています。章構成は,モデルカリキュラムの「導入」「基礎」「心得」に沿った内容となっています。 一部の私立文系の大学では,中学数学すら修めていない学生が多く,コンピュータリテラシーも低い傾向にあります。本書は,そういった私立文系学生でも無理なく学べるよう,やさしく解説しています。Excelの基本的な操作を学習したあと,与えられたデータをもとに「データを読み,データを説明し,データを扱う」ことを,実際に動かしながら理解します。このデータ分析の演習を通して,データサイエンスを体験できます。 本書で「リテラシーレベルのモデルカリキュラムを網羅できる」ため,教科書として採用しやすい内容となっています。講義とExcel実習をバランスよくおりまぜた半期1コマ15回の授業計画のモデルケースを紹介しており,コンピュータリテラシー担当教員がすぐに数理・データサイエンス・AIのリテラシー授業を始めることができます。