パドモア&ポール・ルイスによる孤高のシューベルトパドモアの徹底した語り部ぶり、ポール・ルイスの文句なしの伴奏『流れの上で』のゲスト・ホルン奏者はリチャード・ワトキンス!ちょっと甘い歌声、言葉の美しい粒立ち、安定した歌唱で、宗教曲にリートに大活躍のパドモア最新盤は、日本でも注目度急上昇中のポール・ルイスとの共演によるシューベルト。 徹底して「語り部」として詩人のメッセージを音楽にのせて聴き手に語りかけるパドモアの技にはますます磨きがかかっています。「私」をとことん滅し、時に極めて冷淡で、時にはっとするほど優しく、歌っているのですが「語って」いるというほうがしっくりくるような演奏ぶりは見事です。詩人が語り描く世界に自分が迷い込んだような気分になります。有名な「セレナード」での、えもいわれぬ気品ある優しさは必聴。ポール・ルイスのピアノがまた文句なく素晴しく、パドモアの無駄なものが一つもない歌にぴたりと寄り添い、詩人の描く世界を見事に描写しています。 『流れの上で』はホルンとのトリオ。ベートーヴェンの死の翌年に書かれたもので、ベートーヴェンの『英雄』の葬送行進曲の優しいエコーとなっています。ゲスト奏者としてホルンを吹いているのは、1985年から1996年までフィルハーモニア管で首席奏者を務めた名手リチャード・ワトキンス。滋味あふれる音色による名演は、ホルン・ファンならずとも是非聴きたいところです。(キングインターナショナル)【収録情報】シューベルト:1. 歌曲集『白鳥の歌』 D.9572. 流れの上で D.9433. 星 D.939 マーク・パドモア(テノール) ポール・ルイス(ピアノ) リチャード・ワトキンス(フレンチ・ホルン:2) 録音時期:2010年10月 録音方式:デジタルPowered by HMV