経済・社会・環境を文化から問い直す、日本の事例に基づくポストSDGs時代の人文学論集!人類学、民俗学、考古学を横断しながら、資本主義・消費社会の網目に完全には絡めとられない余白を見出し、生活空間を主体的かつ自律的に維持・運営するための文化を持続させる人々の営みを描き出す●執筆者紹介(執筆順、*は編著者)原 知章*(はら ともあき)早稲田大学 人間科学学術院 教授担当:序章松田俊介(まつだ しゅんすけ)東北芸術工科大学 芸術学部 歴史遺産学科 講師担当:第1章酒井貴広(さかい たかひろ)早稲田大学 文学学術院 非常勤講師担当:第2章都築由理子(つづき ゆりこ)早稲田大学 人間総合研究センター招聘研究員担当:第3章大澤 誠(おおさわ まこと)岡山大学 グローバル人材育成院 非常勤講師担当:第4章山越英嗣(やまこし ひでつぐ)都留文科大学 文学部 比較文化学科 准教授担当:第5章序 章 文化的持続可能性とは何か 日本から問い直す 原 知章1 はじめに2 3本柱フレームワークの主流化3 文化的持続可能性関連研究の展開4 日本から/人文学からの応答5 本書の構成第1章 祭礼組織運営の人的課題と文化的持続可能性 栃木県日光市七里生岡神社大祭の事例から 松田俊介1 はじめに2 七里における生岡神社大祭3 祭礼をめぐる状況変化4 祭礼運営における文化の持続可能性5 おわりに第2章 地域とサイバー空間の相互作用に支えられる儀礼の文化的持続可能性 栃木市都賀町家中の鷲宮神社における強卵式の事例から 酒井貴広1 はじめに2 強卵式と先行研究3 強卵式の中止と再開4 サイバー空間における言説5 結 論6 おわりに第3章 近世・近代の漆製品の消費にみる文化的持続可能性 物質文化の視点から 都築由理子1 はじめに2 『南関東の共有膳椀』からみる漆製品の様相3 『関口日記』からみる漆製品の様相4 百貨店機関雑誌『時好』『みつこしタイムス』『三越』からみる漆製品の様相5 おわりに第4章 農業新規参入者2人のイキカタに見る文化的持続可能性 経済・社会・環境という3本柱のバランスを考える 大澤 誠1 はじめに2 川口の農のあるイキカタと価値観3 山田の農のあるイキカタと価値観4 川口の価値観の構築過程5 山田の価値観の構築過程6 おわりに第5章 文化的持続可能性への人類学からの応答 文化のゆるやかな共鳴を捉えるために 山越英嗣1 はじめに2 「持続可能な開発」と文化3 持続可能性をめぐる近年の人類学的研究4 地域の特性を重視した活性化5 「外部」を取り込むことで生じる弊害6 日本からの応答7 おわりに:文化を共鳴させる