鬼才エルヴェ・ニケによるレクィエム・シリーズ、始動!第1弾はフォーレのレクィエムとグノーの十字架上のキリストの最後の7つの言葉!鬼才エルヴェ・ニケが、フランダース放送合唱団を率いてのレクィエム・シリーズを始動。第1弾に選んだのは、フォーレのレクィエム。今後、ブラームス、モーツァルト、また、デザンクロらの作品が予定されています。管弦楽パートは、名門ブリュッセル・フィルのメンバーで構成されています。フォーレが書いた音楽自体の美しさが最大限に発揮されていますが、大仰になることもなく、耽美主義にはしることもなく、非常に親密な空気もあわせもった演奏の登場となりました。 フォーレのレクィエムは、1888年から1900年の間に3つの稿で演奏されました。まず、オリジナルの「マドレーヌ稿」は、1888年に実際の儀式で演奏されたもので、(入祭唱とキリエ、サンクトゥス、ピエ・イエス、アニュス・デイ、イン・パラディスムの5曲構成/ソプラノ独唱、合唱、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ハープ、オルガン)という構成。2つ目の「1893年稿」は、1888年版の楽曲に、リベラ・メと奉献唱が追加、バリトン・ソロと管楽器が加わります(この稿は、ヘレヴェッヘによる録音でも広く知られています(HMG501292))。そして3つ目が、1900年に演奏されたのが現在一般的に演奏されるのと同じオーケストラ編成の稿。エルヴェ・ニケは、1893年の稿を足がかりに演奏を行っています。 研究熱心でありながら柔軟な発想を持つエルヴェ・ニケ。「ピエ・イエス」を、ソプラノ・ソロではなく、合唱のソプラノのユニゾンで演奏しています。このことついて、ニケは、実際の葬儀での演奏のように非常に個人的な雰囲気を出したかったから、と語ります。「実際のレクィエムは、亡くなった人(あるいはその家族)の資金で演奏されます。すべての人が、器楽奏者、合唱に加えてソプラノ・ソロを一人雇うことができたとは考えられない」こと、また、「オランダ放送合唱団が非常に素晴しいクオリティである」ことも理由として挙げています。この1893年稿で追加されたリベラ・メは、稿の通り、バリトン・ソロで演奏しています。 カップリングは、グノーの宗教作品。グノーというと、アヴェ・マリアと、オペラ『ファウスト』『ロメオとジュリエット』ばかりが有名ですが、彼の本領は宗教作品に発揮されています。その頂点が『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』。1858年に無伴奏合唱のために書かれ、1866年に改訂されました。パレストリーナのように複雑な対位法に則っており、「厳格な様式を貫いても、美しい音楽を書くことは可能だし、人間の情熱の制御不能な激しさを描くこともできる」とグノーは述べています。(キングインターナショナル)【収録情報】● フォーレ:レクィエム op.48(1893年稿)● グノー:アヴェ・ヴェルム (1853)● グノー:十字架上のキリストの最後の7つの言葉 (1855) フランダース放送合唱団 ブリュッセル・フィルハーモニックのメンバー エルヴェ・ニケ(指揮) 録音時期:2014年4月10-12日(フォーレ)、2013年6月18-21日(グノー) 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)【エルヴェ・ニケ(指揮)=プロフィール=】フランス生まれ。ピアノ、オルガン、合唱指揮を学び、16歳から古楽を研究。17歳で指揮法をピエール・カオに師事、1980年パリ・オペラ座の合唱指揮者に就任。1985年にはモンテカルロ・バレエの開幕に際し、モナコ王女からバレエ作品を委嘱される等、作曲家としても活躍。1987年ルイ王朝時代の有名な演奏協会にちなんだオーケストラ「ル・コンセール・スピリテュエル」を創設。当時のレパートリーを現代に蘇らせた彼らは、世界の主要ホール、音楽祭に招聘されて高い評価を獲得し、日本公演でも大きな話題となりました。チェンバロ、オルガンの名手でもあり、多種多彩な録音を発表、世界中で、指揮者、器楽奏者として演奏会を開催しています。 2009年、フランスのロマン派音楽センター(ヴェニスのパラッツェット・ブル・ザーネ)設立に携わり、これがきっかけでフランダース放送合唱団およびブリュッセル・フィルとの関係が始まりました。2011年よりフランダース放送合唱団の首席指揮者を務めています。このフォーレを皮切りに、「EVIL PENGUIN RECORDS」から、ブDisc11 : Messe de Requiem, Op. 48 (Faur)2 : Ave Verum (Gounod)3 : The Seven Last Words of Christ (Gounod)Powered by HMV