ハンス=ヨアヒム・ロッチュ/J.S.バッハ:ヨハネ受難曲ハンス=ヨアヒム・ロッチュ[1929-2013]は旧東ドイツ時代に活躍したテノール歌手であり、1965年から1973年までライプツィヒ大学合唱団の指揮者、東独崩壊前後の時期の1972年から1991年の間、第30代ライプツィヒ聖トーマス教会のカントール(音楽監督)を務めていました。 この1975/76年録音の『ヨハネ受難曲』は、バッハのカンタータ集などと並び、ロッチュ指揮の代表盤ともいえる名盤。ゲヴァントハウス管と聖トーマス教会合唱団によるステレオ初の『ヨハネ』全曲盤でもあり、マウエルスベルガー指揮で1970年に録音された『マタイ受難曲』(ロッチュはテノール独唱パートで参加)と対をなす、最も正統的なバッハ演奏の伝統を刻み込んだ演奏として、発売以来アナログ時代のスタンダードとされていました。東独を中心としたメンバー、福音史家のペーター・シュライアー、イエスのテオ・アダムなどオールスターキャストのソリスト、合唱団及びオーケストラによる伝統を感じさせる風格のある演奏が展開されています。『ヨハネ受難曲』は、『マタイ受難曲』とは違ってドイツ的、ドラマティックな展開より静かで、むしろ地味ともいわれますが、それだけに歌手、演奏、指揮者の力量がそのまま表れてしまいます。それをロッチュは持続する緊張感、そして合唱の彫りの深さなどによって心に響かせる名演を披露しています。(輸入元情報)【収録情報】● J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 BWV.245 ペーター・シュライアー(テノール:福音史家) テオ・アダム(バス・バリトン:イエス) アーリーン・オジェー(ソプラノ) アルミン・ウーデ(テノール) ジークフリート・ローレンツ(バリトン) ハイディ・リース(コントラルト) ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 ハンス=ヨアヒム・ロッチュ(指揮) 録音時期:1975年10月、12月、1976年4月 録音場所:ドレスデン、聖ルカ教会 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)Powered by HMV