次期女王として幼い頃から遊ぶ暇もなく勉学に励んできたエラは、十八歳の誕生日、「妹が行きたくないと言うから、代わりに隣国の第一王子に嫁いでほしい」と告げられる。泣く泣く隣国レミアに旅立ったものの、婚約者となった王子カーティスには一向に歩み寄ろうとする気配がない。婚約披露もなく、王城内を自由に歩き回ることも許されず、部屋に軟禁状態で捨て置かれたエラ。ある日、こっそり中庭に抜け出した彼女は、一人の見習い騎士が魔法の練習をしている場面に出くわした。魔法の手解きをするうち、だんだんと仲を深めていく二人。一方、カーティスは想い合う相手のためにエラを追い返そうとしているようで…。