本書は、スポーツの個別史に長い間取り組んできた秋元忍、新井博、鵤木千加子、榎本雅之、小谷究、後藤光将、谷釜尋徳、福井元、山脇あゆみの各研究者が、それぞれのスポーツ種目の技術・戦術史について紹介したものである。個々のスポーツの間には平面的な横の時間軸で見た場合に、人間が使用・相手にする用具・道具・自然とプレーヤーの身体との間の隔たり(大きさ・形・重さ)は、全て違う。そのため、各スポーツ種目のもっている技術・戦術は、全て違うものである。また、縦の歴史的時間軸で見た場合に、時代毎の社会状況、科学、指導者、ルール、用具など、大きなものから小さなものまでの何らかの要素・要因で、技術・戦術が変わると考えられる。そのため、各執筆者が自分の対象とするスポーツの特徴をどのように考えているかが、技術・戦術の歴史的変化を分析する上での力点になっている。また、歴史研究者が鋭い現代的視点を持たなければならないことからすれば、現在のスポーツ界の動向に対する各執筆者の意識が分析の力点に幾らか関係してくる。今回、各執筆者はスポーツ種目の技術・戦術史として重要と思われているテーマや時期について、自分の思惑で自由に取り上げている。現時点でのスポーツ種目史の専門家たちの考える技術・戦術史について、触れてみてください。第1章 サッカーの技術・戦術史第2章 水泳の技術・戦術史第3章 スキーの技術・戦術史第4章 テニスの技術・戦術史第5章 バスケットボール競技の技術・戦術史第6章 バドミントンの技術・戦術史第7章 ホッケーの技術・戦術史第8章 野球の技術・戦術史