安定した美しい演奏を聴かせるトリオ・ワンダラーのブラームス1987年に結成されたトリオ・ワンダラー。1999年からハルモニア・ムンディでリリースを続けており、そのどれもが高い評価を得ています。古典派から現代まで幅広いレパートリーをもち、各メンバーの技術力の高さはもとより、3人の息のあったアンサンブルで繰り広げられる演奏は圧倒的。　今回リリースされるのはブラームス。以前2枚組のピアノ三重奏曲全集（廃盤）に続くもの。ブラームスはピアノ三重奏曲を3曲書いています。1854年に第1番の初稿が完成、1866年に第3番を書き終えた後、1891年に第1番を自身の手によって大幅に改訂しています。ブラームスは通常改訂版を出した場合は、オリジナル版を破棄していますが、これはブラームスが唯一自ら2つの版を残した作品。現在演奏されるのは改訂版がほとんどで、トリオ・ワンダラーも全集の際は改訂版で録音しています。2つの版は主題を入れ替えたり、長さを短縮したりと大幅に書き直されています。初稿版はやや冗長になっている部分もありますが、若々しい輝きも感じ取ることができます。トリオ・ワンダラーの演奏は、しなやかで自然体の表現が魅力的で、3人の個性が見事にとけあった美しい演奏を聴かせてくれます。　カップリングには、ヴィオラのクリストフ・ゴーゲを迎えピアノ四重奏曲第3番を収録。後期特有の難解さはありますが、円熟の境地に達したともいえる音楽を、深い情緒を感じさせる演奏で聴かせます。　トリオ・ワンダラーは2016年6月に日本ツアーが予定されています。（キングインターナショナル）【収録情報】ブラームス：1.　ピアノ三重奏曲第1番ロ長調 Op.8（初稿版）2.　ピアノ四重奏曲第3番ハ短調 Op.60　トリオ・ワンダラー　　ジャン＝マルク・フィリップス＝ヴァイジャベディアン（ヴァイオリン）　　ラファエル・ピドゥー（チェロ）　　ヴァンサン・コック（ピアノ）　クリストフ・ゴーゲ（ヴィオラ：2）　録音時期：2015年1月　録音場所：ベルリン、テルデックス・スタジオ　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）Disc11 : I. Allegro Con Moto2 : II. Scherzo: Allegro Molto - Trio: Pi Lento3 : III. Adagio Ma Non Troppo4 : IV. Allegro Molto Agitato5 : I. Allegro Non Troppo6 : II. Scherzo: Allegro7 : III. Andante8 : IV. Finale. Allegro ComodoPowered by HMV