なぜ大学生は「やりたいこと」や熱意を問われ,語るようになっていくのか?労働市場媒介者が果たす役割と大学生の状況の定義を明らかにし,就職情報サービスと彼らの行為によって成り立つ「就活」の仕組みを解明する.序 章 就活を考える 1 はじめに 2 本書の位置づけと意義 3 用語の定義 4 調査対象と方法 5 本書の構成第1章 ライフコースの個人化と移行、労働市場の変容 1 自由応募の就職活動とは 2 ライフコース選択と移行 3 日本的雇用慣行と労働市場 4 自由応募の就職活動を捉えるために第2章 キャリア教育が想定する労働市場と現実 1 大学教育・キャリア教育・就職支援 2 キャリア教育の背景と研究 3 調査概要 4 キャリア教育と就職支援の共通点と相違点 5 なぜキャリア概念は曖昧になるのか第3章 一九九〇年代から二〇〇〇年代にかけての就職ー採用活動の変化 1 ナビサイトの勃興 2 就職ー採用活動の長期化・早期化・煩雑化 3 長期化・早期化・煩雑化の再検討 4 企業・就職情報サービス・大学生の変化 5 企業を欲望する場第4章 仮定法を求められる大学生 1 仕事について語る契機 2 時期区分と調査概要 3 就職活動プロセスでの意味づけ 4 「やりたいこと」がもたらす帰結第5章 「やりたいこと」就活の陥穽 1 決められなさをもたらす「やりたいこと」 2 終わらない就活 3 「やりたい」と語ることの困難第6章 就職活動プロセスにおける女子大学生のライフコース展望 1 女子大学生と戦後日本型ライフコース 2 資料と調査概要 3 労働市場で示されるメッセージと女子大学生のライフコース展望 4 就職ー採用におけるフィードバック効果第7章 私立中堅γ大学の就職活動プロセス 1 自由応募の就職活動の外側 2 中位・下位校における就職活動 3 調査概要 4 働くことに対する認識 5 ホワイトカラーを前提とした活動終 章 自由応募の就職活動のゆくえ 1 本書の知見 2 イベント型の就職活動の形成 3 労働市場の社会学への貢献 4 教育から労働への移行研究への貢献 5 ライフコースの個人化と就職情報サービス 6 今後の課題とアフターコロナの就職ー採用活動あとがき付 表参考文献索 引