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9歳、10歳ぐらいまでに、ものを考える力、感じる力、つまり脳の「ソフトウェア」はできあがってしまう、という話はすでに知られているところです。物事をとことん詰めて考える力、俯瞰に見る力、読解力など総称する「算数脳」も、実はそのくらいまでの学習方法、子育て方法、遊びによって培われ、小3までの間に形成されてしまうのです。「ウチの子は百ます計算がとても得意。だから算数は大丈夫なはず」。いいえ、違います。「算数なんてできなくたって、別に生きていく上でなんの支障もないじゃない」。いいえ、これも違います。百ますは確かに大切です。しかしこれは基本中の基本であって、難しい文章題を解いたり、図形問題をパッと解ける能力を身につけたことにはなりません。また、算数脳を身につけ、どんな問題にも応用できるようになるということは、それだけ子どもの人生の選択肢が増えるということなのです。この本は、5万組以上の親子を見てきた「花まる学習会」代表、高濱正伸先生の本です。高濱先生は「算数オリンピック」の解説委員もつとめている、「算数のカリスマ」でもある方です。親として、子どもにどんなしつけをすればよいか、どんな遊びをすればよいか、どのようにして子どもの勉強に付き合ってあげればよいか、また、どんな言葉を「言ってはいけない」のか、高濱先生が実際に子どもと接して、自信をもって感じていることを1冊の本にまとめました。読んでいて、思わずドキッとさせられることもあると思います。しかし、ぜひ現在子育て中のみなさまには読んでいただきたいと思っています。算数脳は、わが子が豊かな人生を送るための基礎となるものなのです。
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