モディリアーニ四重奏団が瑞々しくも高貴に奏でるグリーグ&スメタナ2003年に結成されたモディリアーニ四重奏団。若々しい弦楽四重奏団としてスタートしましたが早くも活動20年を迎え、その演奏はフレッシュさとみずみずしさを保ったまま、深みと凄みを増した表現で世界から極めて高く評価されています。 今回彼らが取り上げたのはグリーグとスメタナ[1824-1884]。海を隔て、国民性も異なる2人はお互いを知りませんでしたが、ほぼ同時期に書かれた彼らの四重奏曲は、作曲者自身の苦しい境遇の中で書かれたという点で共通しています。グリーグは、ピアノ協奏曲で賞賛され『ペール・ギュント』で成功を収めた後、33歳でト短調の四重奏曲に着手しました。グリーグは娘と両親の死、そして崩壊寸前の結婚生活という苦悩に満ちた自身の境遇を、四重奏という編成に、自身の歌曲『吟遊詩人の歌』 op.25-1の旋律をメインの素材に用いながら、この上ない高貴さもって打ち明けています。30分超の大作です。一方のスメタナも、チェコ音楽の父として崇められながらも、50代で全聾になってしまい指揮者としてのキャリアを去ることを余儀なくされ、ボヘミア中部の村に隠棲し苦悩と貧困の生活を送っていました。1876年12月29日に『わが生涯より』と題して発表された本作には、そうしたスメタナの様々な思いが反映されているようです。 モディリアーニの面々が、16本の弦がひとつの楽器であるかのような一体感と、時にオーケストラのような熱と迫力あるサウンドで、これらふたつの劇的な作品を感動的に響かせています。(輸入元情報)【収録情報】● グリーグ:弦楽四重奏曲第1番ト短調 Op.27(1878)● スメタナ:弦楽四重奏曲第1番ホ短調『わが生涯より』(1876) モディリアーニ四重奏団 アモリ・コエイトー(ヴァイオリン/1773年製ジョヴァンニ・バッティスタ・グアダニーニ) ロイック・リョー(ヴァイオリン/1734年製ガリアーノ) ローラン・マルフェング(ヴィオラ/1660年製ルイジ・マリアーニ) フランソワ・キエフェル(チェロ/1706年製ゴフリラー、ヴァールブルク) 録音時期:2022年12月6-9日 録音場所:オーストリア、シューベルティアーデ 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV