合唱作品だけでなく、協奏曲や吹奏楽などの器楽曲なども発表し、幅広く人気を得ている信長貴富の歌曲集、第二弾。今回は独唱曲ならではの魅力を持った2つのオリジナル歌曲集の作品を中心に据える。寺山修司の短歌による6つの歌曲《チエホフ祭》は、作曲者が敬愛する寺山修司の短歌から19首を選び、6つの歌曲を構成した作品。自由詩では不可能な有節形式の試みや、歌としての整ったフォルムを求めて作曲された。歌曲集《時に 人が通る》はそれまで男声向けの独唱曲を書くことの多かった作曲者が女声の音色を想定して、詩を選び作曲した作品。普遍的なドラマを感じさせる石垣りんのモノローグ(独白)をソリストが語る。前回に引き続き、合唱曲からの歌曲編曲作品も掲載。《いのちの寓話》《にじのソネット》《雲は雲のままに流れ》《初心のうた》《ちよこれいと》《鉄道組曲》といずれも人気の合唱曲集から選ばれた9つの曲が歌曲作品として生まれ変わった。[曲目]歌曲小品集・夢見草(宮本益光 詩)・貴種流離譚(宮本益光 詩)・雲は雲のままに流れ(工藤直子 詩)・とむらいのあとは(木島始 詩)・紅蔦(竹久夢二 詩)・青い鳥(竹久夢二 詩)・秋の眸(竹久夢二 詩)・上野ステエシヨン(室生犀星 詩)・恋の山手線(四代目・柳亭痴楽 詞)寺山修司の短歌による6つの歌曲《チエホフ祭》(寺山修司 短歌)・一粒の種・チエホフ祭・父の墓標・無名の詩・海青き日・巨いなる声歌曲集《時に 人が通る》(石垣りん 詩)・幻の花・荷・向こうから来た人・風景・峠