探偵と助手の目も眩むような冒険譚はかつて上空一万メートルで始まった。依頼人を助け、事件を解決し、強大な敵と戦う、世界を股にかけた旅。それは探偵の死で終わりを迎えた。ーーだが一年後、終わった筈の物語は一人の少女の激情で再び動き出す。「大丈夫、君塚とあたしたちの願いは全部叶えるよ」「ああ、仲間を助けに旅に出よう」それから俺たちは、世界の深淵に挑み、幾多の戦いを乗り越え、多くの犠牲を払いながらもーーやがて奇跡を起こした。全てが終わった今、俺・君塚君彦は、日常という名の後日談に浸っている。それでいいのかって? いいさ、誰に迷惑をかけるわけでもない。だって、そうだろ?探偵はもうーー