日本の近代化において、英・独・仏ら強国への視線とは異なるまなざしで参照されてきたイタリア。 その文化はどのように導き入れられ、解釈され、浸透してきたのか。 文学、思想から美術、音楽、映画や演劇まで、各分野における受容と展開のさまを歴史的に考察し、見出された知の体系を、これからも営まれ続けるイタリア学の将来に手渡す。序 (ジョヴァンニ・デサンティス)第一部 文学第一章 ダンテからルネサンスまで─人文学と翻訳の使命 (原 基晶)第二章 啓蒙主義とロマン派 (霜田 洋祐)第三章 ファシズム期と戦後 (菊池 正和)第四章 女性の言葉による世界 (山崎 彩)第二部 思想第五章 中世から初期人文主義まで (星野 倫)第六章 ルネサンスと近世 (フランチェスコ・カンパニョーラ)第七章 新観念論から現代思想まで (國司 航佑)第三部 芸術第八章 美術─美術史教育と美術史研究、コレクション、展覧会 (石井 元章)第九章 音楽─イタリア音楽の二つの顔、音の学と楽 (森田 学)第一〇章 映画─イタリアン・スペクタクルの衝撃 (石田 聖子)第一一章 演劇─ピランデッロからフォーまで 近代演劇の革新者たち (高田 和文)イタリア文化の本質性ーあとがきにかえて (土肥 秀行)