異形を狩ることを生業とする、祓い屋の名家の娘・神崎雛乃。その異能の強さ故、近付くものの生命力を吸い取ってしまう彼女は「死神姫」と呼ばれ、周囲に疎まれて孤独に生きてきた。普通の幸せなんて夢のまた夢なのだと諦めていた雛乃のもとに、ある日、敵対する一族の元当主・龍ヶ峰雪嗣との結婚話が降って湧く。盟約に則り嫁ぐことになるものの、婚姻はあくまで形式上のもの、白い結婚と考えていた雛乃。しかし異能により「不老不死」の身体を持つ雪嗣は、雛乃のそばにいることができる唯一の人でーー?どうあがいても「運命」のふたりが愛を育む、美しき婚姻譚。■著者プロフィール忍丸(しのぶまる)『異世界おもてなしご飯』(カドカワBOOKS)でデビュー。著作に「わが家は幽世の貸本屋さん」シリーズ(ことのは文庫)、『アラベスク後宮の和国姫』『花咲くキッチンー再会は薬膳スープと桜を添えてー』(ともに富士見L文庫)、『幽世のおくりごと 百鬼夜行の世話人と化け仕舞い』(ポプラ文庫ピュアフル)など多数。