ホームズ、クリスティから、現代社会の謎の深淵まで“ミステリ演劇”の魅力のすべてがこの一冊にちりばめられている!だます!だまされる!ナマで見るサスペンス劇ガイドブック今日も劇場の扉は開く。席に着く。開演時間になる。客電が落ちて、観客席にジワッと、何事かが起きる予感が広がる。舞台に照明が入って、人間たちが動き出す…。また一つ、舞台の上に新しい殺人現場があらわれる…。 (本文より)ACT 1 1 幕開き 「夜の来訪者」(プリーストリ) 2 演劇とミステリの出会い 「ハムレット」「毛抜」 3 女王・クリスティ 「ねずみとり」「ナイル殺人事件」 4 フーダニット名作選 「毒薬と老嬢」「罠」「暗くなるまで待って」「スルース」「死の罠」 5 名探偵に難題 「The secret of Sherlock Holmes」「愛と哀しみのシャーロック・ホームズ」 (三谷幸喜)「黒蜥蜴」(江戸川乱歩・三島由紀夫) 6 現実はハードボイルド 「ラインの監視」「子供の時間」(リリアン・ヘルマン)「手紙」(モーム) 「正義の人びと」(カミュ)「貴婦人の来訪」(デュレンマット) 「死と乙女」(ドーフマン)「殺し屋ジョー」(トレイシー・レッツ) 「犯罪フィールドノート」(山崎哲)BREAK 7 怪談 「怪談牡丹燈籠」(大西信行、フジノサツコ)「未練の幽霊と怪物」(岡田利規) 「ウーマン・イン・ブラック」 ACT 2 8 警察 「探偵物語」「三億円事件」「笑の大学」「熱海殺人事件」 9 裁判 「検察側の証人」「神と人とのあいだ」「十二人の怒れる男」「滝の白糸」 10 牢獄 「蜘蛛女のキス」「ショーシャンクの空に」「ゴドーを待ちながら」 ACT 3 11 不条理の衝撃 「そして誰もいなくなった」(クリスティ╱別役実)「ほんとうのハウンド警部」 「ローゼンクランツとギルデスターンは死んだ」 12 過去と未来へのタイムトラベル 「アマデウス」(ピーター・シァファー)「治天ノ君」(古川健) 「華氏451度」(レイ・ブラッドベリ)「1984」(ジョージ・オーウェル) 13 現場検証・2020─2023年 「ドクター・ホフマンのサナトリウムーカフカ第4の長編ー」 「兎:波を走る」「ザ・ウエルキン」 14 目撃者・観客 15 パンドラの箱 謝 辞 参考文献 あとがき 索引