1960年代からのテレビの普及とともに日本映画の興行収入が落ち込み、従来の大手5社体制とスタジオシムテムが崩れはじめた。それまでの黄金期からの急激な変化に、映画人たちはどのように対応しながら今日まで映画界を支えてきたのか。──プロデューサー、監督、撮影、編集、宣伝、女優、そして映写技師、広告図案制作、アーキビストまで、製作現場とその周辺で映画の仕事に携わってきた14名の関係者へのインタビューによって、日本映画が直面した構造変革期の実像を多面的に浮き彫りにする。はじめに 谷川建司[第1部]変貌する映画産業日活を出て痛感した興行の場確保の重要さ (岡田 裕/映画プロデューサー)宮川一夫に憧れて大映本社前に毎日佇む (宮島正弘/撮影監督)宣伝マンとして大映の最期を看取る (中島 賢/映画宣伝)[第2部]映画業界への新規参入者「自撮り」を発明した八ミリ映画作家 (原 將人/映画監督)レコード会社発の映画、そしてアニメ業界へ (増田弘道/映像コンテンツ制作)新興勢力に頼られたヘラルドの宣伝力 (坂上直行/映画宣伝・プロデューサー)[第3部]フィルム・アーカイビングの現状と課題英仏映画アーカイブ行脚から黎明期FCへ (大場正敏/映画アーキビスト)記録映画保存センターの理念と実践 (村山英世/映画プロデューサー)京都の映画作りの伝統を文化資源にする (森脇清隆/映画アーキビスト)[第4部]ピンク映画&ロマンポルノを巡って男が作るピンク映画をひっくり返す (浜野佐知/映画監督)ロマンポルノの女王からバイプレーヤーに (白川和子/女優)[第5部]モノから見る映画史映写室から見た映画興行の世界 (宮田滋禮/映写技師)フィルムからテープ、そしてデジタルへ (園井弘一/映画編集者)監督のイメージを具現化するテクニック (檜垣紀六/映画広告図案士)