ドイツ、アメリカ、日本において経営学的研究が成立してから一世紀以上が過ぎ、この間、多種多様な研究が生まれてきた。しかし、これらはいま統一的方向性を見失い、些末で相互の関連性も欠いたまま、研究業績をひたすら積み重ねている。これでよいのか。本書はこの反省にたって、経営を体系的に理解する道を経営学史をたどりつつ探るものである。 第一章 経営学に未来はあるかー経営学史研究の果たす役割ー第一部 経営学史の回顧ー理論的体系化を目指す努力の軌跡:日本の場合ー 第二章 経営学体系の確立を目指す努力の跡ー日本を中心にしてー 第三章 批判的実在論を活用した経営理論の彫琢可能性ー包括性と統合性を獲得するための方法論とその展開ー第二部 アメリカ経営学の回顧・現状と今後の課題 第四章 アメリカ経営学の源流を訪ねて 第五章 協働の経営学ーその歴史的意味を考えるー 第六章 企業の経営学ー制度派経営学の歴史的位置づけー 第七章 アメリカ経営学の明日に向けて第三部 ドイツ経営学の回顧・現状と今後の課題 第八章 ドイツ経営学の特徴 第九章 ドイツ経営学の生成と確立 第一〇章 現代ドイツ経営学の基盤としての社会的市場経済 第一一章 社会的市場経済の変化とドイツ語圏の経営学 第一二章 現代における体系化への志向性 第一三章 ドイツ経営学から何を学びうるのかー価値創造の学としての経営学ー第四部 本格的な経営学の指向と経営学の未来 第一四章 馬場・山本の全包括的な本格的経営学の問題意識の批判的継承・発展 第一五章 経営の総合的重層的把握ー体系化にむけてー