ヘルマン・アーベントロート/ブルックナー交響曲第4・5・9番(3CD)「彼の指揮はある種の破壊的なエネルギーに満ちていた。」とギュンター・ヘルビヒも称えるドイツの巨匠ヘルマン・アーベントロート。 アーベントロートがドイツのエテルナ・レーベルでレコーディングしたブルックナーの3つの交響曲は、セッション録音のためモノラルながらバランスの良い聴きやすい音質として知られています。 今回は「エテルナ・オリジナル・マスター・シリーズ」からの登場で、マスターテープから新たなマスタリングがおこなわれているため、音質向上が期待されるところです。 アーベントロートのブルックナー演奏では、抒情的な旋律の美しさも聴きごたえがあり、特に第5番の第2楽章アダージョ、3分くらいから登場する荘厳な第2主題での心のこもった重厚な表現には素晴らしいものがあります。下の楽譜画像はその第2主題部が開始される部分ですが、新たなマスタリングで音質が向上すれば、弦の細かな表情もさらに際立つのではないかと思われます。 なお、ブックレットには使用したマスターテープの箱の写真も掲載されており、歴史的ドキュメントとしてのリアリティもあります。マスタリング・エンジニアはいつものクリストフ・シュティッケルが担当。 収録情報CD1ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調『ロマンティック』[原典版(ハース校訂)] 録音:1949年11月16日、ライプツィヒCD2ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調 [原典版(ハース校訂)] 録音:1949年5月27日、ライプツィヒCD3ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 [原典版(オーレル校訂)] 録音:1951年10月29日、ライプツィヒ ライプツィヒ放送交響楽団 ヘルマン・アーベントロート(指揮) マスタリングについて〜クリストフ・シュティッケル(マスタリング・エンジニア)ETERNAテープをリマスタリングする際の前提は、オリジナル・サウンドを変えることなく可能な限り最高の状態でオリジナル・サウンドを再現することでした。 全ての作業はオリジナルのアナログ・マスターテープに基づき、マスタリングはそれぞれのテープに対して細心の注意を払って行われました。 アナログ領域のみでサウンド処理されたアナログ信号を96kHz / 24bitの高品位デジタル化後に44.1kHz / 16bit化されました。 また、デジタル領域においてもノイズの除去や、オリジナル・サウンドに影響を与えるその他の修復は行わず、必要最小限のテープ・エラーとテクニカル・クリックのみの修復が行われました。 Berlin Classics所蔵 オリジナル・アナログ・マスターテープ使用 各種リンク【トピック】●詩人アーベントロート●アーベントロートのブルックナー●アーベントロートの主なブルックナー演奏●アーベントロートとソ連●アーベントロートとナチ●アーベントロートと戦後●ブルックナー協会【年表】1883・1884・1885・1886・1887・1888・1889・1890・Powered by HMV