マックス・ブルッフヴァイオリンと管弦楽のための作品集ガイ・ブラウンシュタインイオン・マリン指揮バンベルク交響楽団ベルリン・フィルの第1コンサートマスター、ガイ・ブラウンシュタインが、ブルッフのヴァイオリン協奏曲アルバムを録音。共演はイオン・マリン指揮バンベルク交響楽団。ブラウンシュタインのソロ・アルバムは、ヤノフスキ指揮ベルリン放送響と共演したブラームスの二重協奏曲くらいで、ほかはコンマスとしてラトルの『英雄の生涯』、アバドのマーラー第4番があったくらいなので、今回のSACDハイブリッド盤リリースは歓迎されるところです。【ブラウンシュタイン・プロフィール】2000年からベルリン・フィルのコンサート・マスターを務めているガイ・ブラウンシュタインは、1971年イスラエルの生まれで、7歳からヴァイオリンを始め、ニューヨークではピンカス・ズッカーマンと、ニューヨーク・フィルのコンサートマスター、グレン・ディクテロウに師事。 ソリストとして早くから各国のオーケストラと共演するなどしていたブラウンシュタインは、室内楽活動にも最初から熱心で、協奏曲と室内楽での共演者の数はかなりの数にのぼっています。 1992年には、ズービン・メータの指揮によりベルリン・フィルとベートーヴェンの三重協奏曲で共演、これが縁ともなって2000年には第1コンサート・マスターに指名され、現在に至っています。ちなみにブラウンシュタインは、室内楽仲間でもある樫本大進をコンマスに推挙した人物でもあります。【ブラウンシュタインの演奏】ブラウンシュタインのソリストとしての録音は少ないですが、実演ではすでに多くの実績を積んでいますし、ベルリン・フィルと共演したショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番では以下のような評を得てもいました。「ブラウンシュタインのソロは、圧倒的なものであった。冒頭のカンティレーナからじわじわと入念に歌い上げ、スケルツォでは曲芸的なまでのヴィルトゥジティを見せる。さらにフィナーレのブルレスケで恐ろしく難しいをカデンツァを華麗に弾き上げた後、さらにアンコールでイザイを弾くスタミナを示したのである。(2009年10月10日付け『ターゲスシュピーゲル』紙/クリスティアーネ・テヴィンケル)」「ブラウンシュタインは、歯を食いしばるようなハングリーなショスタコーヴィチを聴かせた。それはダンスとよろめき、軽やかさと激しさの混交とでも呼ぶべき演奏である。(2009年10月11日付け『ベルリナー・モルゲンポスト』紙/フェリックス・シュテファン)」【マリン指揮バンベルク響にも期待】今回はイオン・マリン指揮バンベルク交響楽団との共演によるブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番に、スコットランド幻想曲、ロマンスという曲目構成。ロマンスはヴィオラとオーケストラのために書かれた美しい作品をブラウンシュタインがヴァイオリン用にアレンジしたものです。 3曲共にブルッフの情感豊かな旋律の魅力を満喫できる音楽だけに、思い切った表情をつけることも多いブラウンシュタインのソロには期待が高まるところです。また、ヴァイオリン協奏曲第1番は、リヒャルト・シュトラウスがアルプス交響曲に引用した壮大な場面も含まれるなど管弦楽パートも気合いが入った傑作ということもあり、情念豊かなアプローチで人気のルーマニアの名匠イオン・マリンの指揮ぶりも注目されるところです。 ジャケットには、ターナーの描いた『フィンガルの洞窟』が使用されています。(HMV)【収録情報】マックス・ブルッフ(1838-1920)・スコットランド幻想曲 Op.46 [30:35]・ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 Op.26 [25:16]・ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス Op.85(ガイ・ブラウンシュタイン編曲) [08:36] ガイ・ブラウンシュタイン(ヴァイオリン) バンベルク交響楽団 イオン・マリン(指揮) 録音時期:2011年9月16-19日 録音場所:バンベルク 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション) SACD Hybrid CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND 5.1Powered by HMV最高の音で楽しむために!