凄すぎる、見たことも聴いたこともない曲があまた出現。さすがBIS、超徹底のシベリウス・ピアノ曲全集シベリウス・エディション VOL.10〜ピアノ曲第2集〜日本語解説付シベリウスにはかなりのピアノ曲があります。管弦楽作品ほど人気・知名度のあるものはありませんが、本当に綺麗な曲も多く、『ロマンティックな情景Op.101の5』などシベリウスの作品中最愛の1曲として挙げるファンもかなりいるとのことです。今回は第2集ですが、世界初録音、初出音源のオンパレードに仰天させられます。管弦楽曲のピアノ版も多く含まれますが、すべてシベリウス自身の手により、いずれもオーケストレーションに先立つオリジナル稿なのが興味津々。いくつかの作品は、その下書きまで収録されている徹底さ。さらに全5曲で知られる『樹の小品集Op.75』に第6曲『ライラック』などというものが存在していたり、彼最後のピアノ曲が唯一の連弾曲だったりと思わず目が輝くことばかり。1931年作曲の初公開の連弾曲『わが愛するアイノに』は謎めいた作品で、メロディらしきものはなく調性も大胆で、交響曲第8番の作風はかくありきと推定できる内容とのこと。シベリウス・ファン必聴の作品と申せましょう。シベリウスの碩学グラスベック渾身の集大成です。(キングインターナショナル)【収録情報】・付随音楽『ペレアスとメリザンド』Op.46・ベルシャザールの饗宴組曲Op.51・10の小品Op.58・パンとエコーOp.53*・3つのソナチネOp.67・2つのロンディーノOp.68・カリオの教会の鐘Op.65b・付随音楽『スカラムーシュ』より2曲Op.71・スパニュオロJS181(1913)・あこがれにJS202(1913)・4つの叙情的小品Op.74・樹の小品集Op.75・ライラックOp.75の6(1914)*・13の小品Op.76・付随音楽『誰も彼も』より5曲Op.83*・花の小品集Op.85・マンドリナートJS123(1917)・フィンランド狙撃兵行進曲Op91a・デンマークの少年団の行進曲Op.91b・6つの小品Op.94・アンダンティーノJS201(1919)*・コン・パッショーネJS53(1919)*・3つの小品Op.96・6つのバガテルOp.97・可愛らしい組曲Op.98a・田園組曲Op.98b・8つの小品Op.99・特徴的な組曲Op.100・5つのロマンティックな小品Op.101・5つの特徴的な印象Op.103・付随音楽『テンペスト』より3曲Op.109・ジャコブ・ド・ジュランのモチーフによるロマンティックな小品JS135b(1925)・孤独なシュプールJS77a・5つのスケッチOp.114・連弾のためのアダージョ『わが愛するアイノに』JS161(1931)*・付随音楽『ベルシャザールの饗宴』より2曲JS48*・バラード(樹の小品集Op.75第3曲『ポプラ』の下書き)*・樅の木(樹の小品集Op.75の5の下書き。1914)*・叙情的ワルツ(Op.96aの下書き。樹の小品集の『ライラック』と『樅の木』の組み合わせ素材。1919)*・騎士のワルツ(Op.96cの下書き。1921)*・歌(Op.97の2の下書き。1920)*・即興曲(Op.97の5の下書き。1920)*・アンダンティーノ〜アレグロ(ロマンティックな情景Op.101の5の下書き。1923/4)*・悲しみに沈んで(Op.103の5の下書き。1923/4)*・森の中の歌(Op.114の4の下書き。1929)* フォルケ・グラスベック(Pf) (*)世界初録音Powered by HMV