2023年10月来日予定の巨匠サヴァール最新盤『東方からの光』古楽界の巨匠中の巨匠、常に歴史に目を向け耳を傾ける哲人、ジョルディ・サヴァール。近年、ベートーヴェンやシューベルトなどの交響曲のプロジェクトを実施する一方、西洋と東洋の音楽のつながりを長きにわたって探求する活動も続けています。これにより、両者(=世界の人々)の相互理解を促すことができる、と考えているからです。 サヴァールは、ユネスコ平和芸術家、EU異文化対話大使にも任命され、芸術と文明の歴史との関係を探求し、文化を結びつけ、人々をひとつにするために、初期クラシック音楽と、地中海および世界の伝統音楽の振興に力を注いでいます。そんなサヴァールは、近年の移民の波に無関心でいることはできませんでした。移民たちのキャンプを実際に訪れ、その生活環境に衝撃を受けた彼は、移民の音楽家たちを助けるために何かしようと決意します。「音楽ですべてを解決することはできませんが、人間らしく生きる道を見つける手助けにはなる。」〜サヴァールの言葉キャンプのプレハブ小屋にいたアフガニスタンからの若者がドンブラ・リュートを奏で、サヴァールがヴィオラ・ダ・ガンバを奏でて即興で二重奏を演奏したこともあります。サヴァールの呼びかけにより、こうした難民や移民、戦争や飢餓、災害に見舞われた国々から音楽家を迎えた『オルフェウス21』が結成されました。このメンバーたちは、サヴァールらと共に演奏活動をするだけでなく、それぞれの出身地の子供たちに、自国の音楽(必ずしも楽譜では伝承されておらず、口頭での伝承のものもある)を教えるなど、後世に目を向けた活動も行っています。 この新しいアルバムには、サヴァール、エスペリオンXXIのメンバーと、オルフェウス21の共演が収められています。中世に広く普及していた「東方からの光(exOriente Lux) 東から日が昇るように、東から知や文化がもたらされた」という思想が、シリア、アフガニスタン、ギリシャ、イラク、モロッコなどのレパートリーとの実りある出会いによって、いまの時代に美しく響きます。「タイトルは、夜明けは必ず東から始まることを意味するが、同時に、東方の古代文明の思想や文化的・精神的伝統からもたらされる知的な光をも意味する。東方の口頭伝承による音楽にたずさわる人々と対話することによって、ヨーロッパに残されている中世の音楽を知る手がかりを得ることができるなど、オルフェウス21プロジェクトがもたらす実りははかりしれないほど大きなものだ。」〜サヴァールの言葉(輸入元情報)【収録情報】Disc11. Sadher Lau Banailo More Boiragi(バングラデシュの伝統歌)2. La rosa enflorece(セファルディの伝統歌)3. Mirkut (クルドの伝統歌)4. Ya Gazaly(シリアの伝統歌)5. Michael Praetorius : Canarios6. Seferdin(クルドの宗教歌)7. El bent el shalabia(イラクの伝統歌)8. Longa Riad (Farah Faza) (アラブの器楽音楽/リアド・ソムバティ[1906-1981])9. Ya habibi(シリアの伝統歌)10. ‘Al maya, ‘Al maya(シリアの伝統歌)Disc21. El Rey Nimrod(イスラエルの伝統歌)2. Sabiha(シリアの伝統歌)3. As for tall(レバノンの歌、マルセル・カリフェ[1950-])4. Lamouni(モロッコとチュニジアの伝統歌)5. Laili Djan(アフガニスタンの伝統歌)6. Hal Asmar(シリアの伝統歌)7. Ya Mariam el bekr (シリアの伝統歌)8. Kevok(クルドの伝統歌とダンス)9. Apo xeno meros(ギリシャの伝統歌)〜ウクバル(イスタンブールの伝統歌)〜即興〜バングラデシュの伝統歌〜Ghazali tal jahri(モロッコの伝統的なダンス)10. ‘Al maya, ‘Al maya 3’10(シリアの伝統歌)(アンコール) オルフェウス21(声楽および器楽) 児童合唱 エスペリオンXXIのメンバー ジョルディ・サヴァール(指揮、リラ) 録音時期:2019年3月10日 録音場所:パリ、フィルハーモニー 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ) SACD Hybrid CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUNDPowered by HMV