17世紀イタリアの音楽の中心だったボローニャ楽派の知られざる作品を最新の校訂版で収録バーゼル室内管弦楽団は、ジョヴァンニ・アントニーニ指揮によるハイドンやベートーヴェンの交響曲、ハインツ・ホリガー指揮によるシューベルトの交響曲録音に具現化されてきたように、時代様式を意識し、モダン楽器・ピリオド楽器をレパートリーによって使い分け、バロックから現代に至る幅広いレパートリーで斬新な演奏を披露し高い評価を得ています。2017年にリリースされた「ボローニャ1666」と題されたアルバムでは、17世紀イタリアで、最も重要な音楽の中心だったボローニャ楽派の音楽が紹介されていました。 1666年に創立されたイタリア最大のアカデミア音楽院のひとつである「アカデミア・フィラモニカ・ディ・ボローニャ」は、イタリアという国境をはるかに超え、ヨーロッパのこの時代の音楽に影響を与えました。しかし、トレッリ以外の作曲のほとんどは忘れ去られています。 そうした知られざるボローニャ楽派に焦点を当てたこの2枚目となる今回のアルバムでは、器楽曲だけでなく当時の声楽作品にも光を当て、カタルーニャ出身の素晴らしいソプラノ歌手ヌリア・リアルが加わっています。3曲の声楽作品には「空気」のイメージや比喩が繰り返し使われています。つまり、空気に動かされているかのような、安らぎを見つけられず苦悩する恋人の不安な思い(コロンナのアリア『Pensieri vaganti』)、 あるいは人々を救うために天から降臨する天使の物語(ペルティのカンタータ『Vieni pur con i tuoi vezzi』)、あるいは神聖な場所で息づくオーラ(ポラローロのモテット『Aurae sacrae amati ardores』)。 これらのソプラノ独唱の作品は、ヴェネツィアに生まれ1684年からボローニャに住み、そこで作曲家としてのキャリアを積んだジュゼッペ・トレッリの合奏協奏曲と並置されています。 この録音では、イタリアの音楽学者フランチェスコ・ローラとジョヴァンイ・アンドレア・セキによる新しい校訂版によっており、リーダー(バロック・ヴァイオリン)のユリア・シュレーダーと器楽メンバーらは、知られざる名作を掘り起こし、17世紀のボローニャで独自に進化した音楽の芸術を垣間見ることができます。(輸入元情報)【収録情報】1. ジョヴァンニ・パオロ・コロンナ[(1637-1695]:カンタータ『恋するソロモン』より「Pensieri vaganti」2. ジュゼッペ・トレッリ[1658-1709]:合奏協奏曲 ニ長調 Op.8-123. ジャコモ・アントニオ・ペルティ[1661-1756]:聖トマス・アクィナスのためのカンタータ4. ジュゼッペ・トレッリ[1658-1709]:合奏協奏曲 ハ長調 Op.8-15. ジュゼッペ・トレッリ[1658-1709]:合奏協奏曲 ニ短調 Op.8-76. カルロ・フランチェスコ・ポラローロ[1653-1723]:モテット『Aurae sacrae amati ardores』7. ジュゼッペ・トレッリ[1658-1709]:合奏協奏曲 ホ長調 Op.8-3 フランチェスコ・ローラ校訂(1) ジョヴァンニ・アンドレア・セキ校訂(2-7) ヌリア・リアル(ソプラノ) バーゼル室内管弦楽団(ピリオド楽器使用) ユリア・シュレーダー(ヴァイオリン、芸術監督) 録音時期:2022年11月9-12日 録音場所:バーゼル、ドン・ボスコ、パウル・ザッハー・ザールPowered by HMV