マーケティングの分野で軽視されてきたファッション・デザイナー達の経済的行為を、その歴史を遡って分析し、多くの「ブランド」論議に影響を与えた画期的名著がついに復刊。ここで本書のマーケティングの定義を再確認したい。すなわちそれは、「マーケティングとは、新規市場開拓を最大の課題とし、この課題を新しいオリジナリティの提示とそのオリジナリティへの需要喚起により成し遂げる企業行動」というものである。「ファッションの」黄金時代において、オートクチュール・デザイナー達は間違いなくこうした意味のマーケティングを実践した。……「むすび」より序章 本書の課題と構成「ファッションの」黄金時代/マーケティングとファッション産業/“経済大国で売れるモノが一番”の時代のブランド/本書の構成第1部 「ファッションの」黄金時代ウォルトとビジネスモデルとしてのオートクチュール/ベル・エポックの女性とポール・ポワレ/オートクチュール以前の歴史のあらまし/ココ・シャネル、新時代の女性経営者第2部 黄金時代終焉の序曲ポール・ポワレの敗北、「CHANEL」の成長/20世紀初頭のマーケティング研究者たち/ファッション・マーケティングの嚆矢ナイストロムの功罪/紳士用既製服に関する若干の考察/「ファッションの」マーケティング